第八十一話「踏み台」
「私の元までそのナイフを届かせるつもりかね?」
ミーセ、ナイフを老紳士に向かって二連投。
老紳士、霊体を生み出して盾にする。
「私は人の魂をベースに兵を生み出す事が出来る。ここならいくらでも魂を使える。最も強化された私には勝てない。簡単に理解出来るだろう?」
「確かに、常人じゃ無理だと思うだろうね」
霊体、ミーセを十体で囲み込む。
「でも、ボクは天才だから」
ミーセ、回転しながらナイフを連続で投げ、霊体の胸を貫いていく。
「今言ったはずだ。霊体はいくらでも生み出せる。君は体力も電力も消費していく。私の勝ちは揺るがない」
老紳士、霊体を新たに二十体生み出す。
「いいや、ボクが勝つ。断片は死なせない」
「全く、、、頑固だな。私もか」
ミーセ、霊体の一体を投げ飛ばし、他の霊体にぶつける。
霊体、動きを封じられる。
「次はこっち!」
ミーセ、反対側の七体を次々とナイフで切りつける。
老紳士、新たに十体霊体を生み出す。
「危ない」
老紳士、飛んできたナイフを霊体に受け止めさせる。
ナイフ、霊体と共に消える。
「この程度の不意打ちでは私を出し抜く事など出来ないぞ」
「だよねー。ボクもこれくらいで倒せるとは思ってないよ」
ミーセ、両手に持っていたナイフを同時に霊体に投げる。
「でも試す事には価値があるよね」
ミーセ、後からより速くナイフを投げ、前を飛んでいたナイフにぶつけ、軌道を変える。
二つのナイフ、それぞれ別の軌道で老紳士を狙う。
老紳士、一つは屈んで避け、一つは霊体を使って防ぐ。
「まだまだ!」
ミーセ、両手に四本ずつ挟んだナイフを、同時に投げる。
八本の内の三本のナイフ、途中でぶつかり合い、老紳士の足元に向かっていく。
「はっ!なかなかやるじゃないか」
老紳士、霊体を前に二体、斜め前に一体ずつ生み出す。
ナイフ、霊体に刺さり、正面の霊体一体のみ残る。
ミーセ、近くの霊体を踏み台にして、老紳士の正面の霊体の上から老紳士をナイフで狙う。
「仕方が無い!」
正面の霊体、ナイフに向かって掌を向ける。
「君の実力を認め、幻術を使うとしよう!」
ナイフとミーセ、霊体の掌から噴出した炎に飲み込まれる。




