第七十六話「失礼」
掌からシャボン玉を出し、天井付近を漂わせながら断片を探す。
まずお父さんを探してみようよ。
この建物は二十階建て。
プログラムビンゴは五階から九階。
階段を最短距離で登り、五階に到達。
この階を探してみる。
掌サイズとは言え、絶対に見つからない大きさでは無い。
上の方をゆっくりふわふわしながら見て回ろう。
「何か暑いですね、、、。エアコン強くしても良いですか?」
「あぁ。夏ってのは暑くてやだなー」
「スタンバイエア、風量アップ」
後輩くん的な人がエアコンの風を強くする。
ってわぁぁぁ!
視界がギュインギュイン回る。
飛ばされた。
もうエアコンの近くには行けない。
まぁ、お父さんかその上司は多分いなかったね。
コンピュータを使う仕事なので、オフィスには人があまりおらず、いても画面に集中しているため結構見つからない。
六階行くよ。
「すみません、ここなんですが」
「どれ。ああ直しておいてくれ。またあの部署のミスだな」
「あー最近仕事のやり方変えたけど上手くいってないらしいですね」
「うちの部署は良くも悪くも現状維持だ。今まで通り頑張ってくれ」
「うす」
仕事のやり方を変えた!?
そこだ!
ってどこだ!
ミスがあったらしい画面を覗いてみるが、どこの部署かは分からない。
やっぱり六階から順番に行く事になるのね。
階段の方に引き返し、六階へ。
「田島ァ!」
ひっ!?
「これもやっとけ!」
「は、はい、、、」
お父さんの事か。
、、、ここね。
必死になってコンピュータを操作する七人。
眼を見開いて座り直す中年男性。
あの人が断片。
もう話が通じない雰囲気が出ている。
断片を引き継いでからそれなりに時間が経っているため、性格の歪みが、、、すごい。
「部長、お電話です」
「今それどころじゃないってのに!、、、はい何ですか!」
何をそんなに焦ってるのよ、、、。
「そんなのは知らん!こっちは今忙しいんだ!」
電話相手に失礼でしょ。
「何ィ!?今駅だなすぐ行く!」
ガチャンッ。
ドシドシと踏み込みながら袖をまくる。
「今から外で取引だ!俺が帰ってくるまでに終わらせとけよ!」
そんな殺生な、、、。
と言うか、取引?
ついて行くしかない。
お父さん、今日を無事に生き延びてくれ。
「断片は見つけた。これから取引だって言って駅に行くみたい」
「私達もついて行こうよ」
「そうだな。途中でアポトーシスに襲われるかもしれねぇしな」
一番近い駅まで徒歩五分。
それ以外に近くの駅は無い。
「どんな感じの人?」
「五十代くらいの男性。がっしりしててワイシャツの袖をまくってる」
「あとすごくストレスが溜まってそう」
「怒る断片って感じだな、、、」
あ、来た。
早足で外に出ていく。
遅れて建物から出て、後を追う。
自然な感じで駅まで歩く。
仲が良さそうな男女。
低身長の双子。
親子連れか!
いやそこまでじゃない!
そして低身長じゃなくて成長途中なだけ!




