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ある夜会の御披露目(独白)  作者: るでゆん
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sideリズ

初めてです。使い方よくわかってません。

だらだらとした文面ですので、温かく見守っていただければ……


ホントすみません


私は、幸せ者だわ。

乱世のこの世界で、愛する彼が生き残り、この場で年若き将軍として立っている。

私も沢山の戦いを乗り越えて、聖女と呼ばれ称賛され、人々から羨望の眼差しで見られている。

今日、私達は婚約者として、新たなるこの国の国王陛下から御披露目される。

なんて、なんて、幸せなのかしら


私はリズ。

リズリストーリャ・カリン・サーシャエン。

金色の髪に白い肌。昔から貴族の間では可愛らしいと評判で、それは大人になっても変わらなくて、少し哀しかったわ。妖艶な美女に一度はみんな憧れるものではなくて?



幼馴染みのアーゼルにもよく、ちんちくりん、妖精姫、いつまでも夢見がちな乙女、とからかわれたりもしたわ。私は兄様のお供としてやって来る度、貴方に会えると幼いこの胸を高鳴らせていたのに。意地悪な貴方は、一度だって可愛いとは言ってくれなかったのよ?



次こそは絶対に可愛いと言わせて見せる!!と、メイドたちと話していたとき、あの悲劇は起こったのよ。


今思い出しても、身体から全ての力が抜けて、しゃがみこみそうになるの。


赤い、赤い、悲劇。


国は割れ、王城は投石機により破壊された。所領を守る貴族たちは領地と共に滅ぼされた。領民たちも、女子供を守るために戦ったけれど、みな無惨に殺された。


全ては、梟王に唆された王外戚の手によって。


父様は領主として戦われた。母様はそんな父様に殉じ領地と運命を共にされたわ。三人の兄達は、一人は父様と共に領地で、一人は近衛として王太子殿下の盾となり、一人は落ち延びる時に私や姉妹達を守るために、みな死んで行った。


絶望に喘ぐ私に、神はお慈悲を下された。

……出来ることなら最後に残った兄が身許にゆく前に、このお慈悲を下されば良かったのに。

私に与えられたのは協力な防御と治癒の魔法。

この力のお陰で私は他国の教会で庇護を受けられることになり、逃げ延びた者たちは奴隷にされることもなく生き抜くことができたわ。


教会で外界から遮断され、三年暮らしたあの日、アーゼル、あなたが来たのよ?


最後に会ったあの日より、精悍になり、唯一の直系王家男児である陛下をお連れして。


貴方は最初は私が誰かも分からないようだったわね。

サーシャエン侯爵家のリズリストーリャだと名乗ったときの、あの驚きよう。今でも思い出すと、クスッと淑女らしくない笑いがこぼれてしまいそう。

修羅の道に共に来てほしいと誘われた時の私の喜びは、多分貴方には一生分からないわ。


私は攻撃の術は持たないけれど、決して貴方を死なせはしないと心に決めて、貴方と陛下が組織された国土解放軍に同行したの。


それから色々とあったわね。

沢山の仲間が出来て、そして沢山失った。お互いに死んだと思う事も何度もあったわ。


貴方が、女の子を連れてきたときには、本気で嫉妬したのよ?今では、妹のようだと思っているのは分かっているから、許してあげるけれど、相手はそうでもなかったの。見ていて憐れになってしまったわ。

勝利者の驕りと言われればそれまでだけれど、複数の二つ名を持つほどに強大になってしまったあの子にも、どうか幸せが来ます様に



さぁ、そろそろ陛下が私達をご紹介下さる時間だわ。

いつもは男装の貴方の妹分も美しく装い、他国の餓狼達を牽制している。


今日は、この国の再出発の日。

陛下の即位のお祝いの宴。

この国が、軍が、宗教が、手を取り合っていることを周辺国に知らしめる為、最高に幸せな微笑みを浮かべましょう。


大丈夫、私は今、最高に幸せですもの。

ねぇ、アーゼル?



お読みいただきありがとうございました

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