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カタクリ  作者: Anemone
8/12

第8片「encounter」

今晩は、順調に更新中です

encounter は遭遇って意味です。


「全く、考え無しもいい加減にして下さい!!!」

「………」


ごもっともです。






確かにあの場は一瞬で空気が固まったのを感じたわ。ついさっきの私の『つまらなそう』発言は、すぐに気を取り直した騎士のお方と私の無理やりな笑顔でやり過ごした。アカシア帝国皇帝であられるルードビッヒ様は何か呆然とした顔をしていたけど、足早に私が退散したせいで何か言いたそうなまま置いてきてしまった。



「まずいわよね…」

「何でもかんっも心の中で思っていたことを口に出さないでくださいよ!!!しかもよりによって皇帝陛下の前で」

「…分かってますよ、分かっているけど出ちゃったんだもの」

「そんな上目遣いで可愛く言ったって許しませんよ…いや、可愛い…じゃなくてミュラ様、ちょっとどちらへ行かれるんですか!?」

「トイレよ、トイレ」

「ちょっとトイレなら部屋のが…」

「息抜きよ、外にいる兵士連れていくからセシリアは部屋で待ってて」

「ちょっ…逃げたか」




私は最後までセシリアの言葉は聞かずに、逃げるように部屋から出た。あの状態なら軽く3時間は説教されそうなんだもの。まあ、トイレに行きたいのは本当なんだけれど。



「えっと、トイレは…」



というか、外に兵士居なかったんですけど。その方が有り難いんですけれど。私は少しトイレを探してやっと見つけたら



「女性用だけ清掃中!?どうして、我慢してきた人にとっては拷問なんだけれど」



隣の男性用は開いているわね…。私は思わず辺りを見回した。見回すようになっただけ成長よね。




「それに、今はセシリアも居ないし。中に誰か居ても兵士でしょうしね」



すぐに私は男性用トイレに入っていった。すると誰かと入れ違いになった。



「あっ、すいません」

「いえ、こちらこそ…っえ?」

「何です…え?」





兵士ならまだしもアカシア帝国の数少ない顔見知り。



「貴女は…」

「……先程はどうも」




さっき助けてくれた、陛下の騎士様だった。







***


「いやあ、まさか側室のしかも一国のお姫様が女性用だけ清掃中だから男性用のトイレに入ってくるとは」

「もうやめてください、それは」



何なのだろうこの状況は。

私はとりあえず限界が近づいてたので、そのまま騎士様の前を通りすぎ用を済ませてトイレから出てきたら、前で待っていたのか私と目が合うと崩れ落ちながら笑い始めた。

そして何故だか今、その騎士様と一緒に宮殿内を散策している。




「えっと、騎士様は」

「失礼しました。私はアカシア帝国皇帝陛下直属騎士団体長アレクシス・ストレチアです。どうぞ、アレスとお呼び下さい」

「ご丁寧にありがとうございます」



私が頭を下げるとアレス様は少し驚いた顔をしたが、すぐ微笑んだ。



「そういえばミュランツ様、先程の発言についてお聞きしてもよろしいですかな?」

「私の事はどうぞミュラと。先程の発言とはもしかして、あの?」

「はい、あの『つまらなそう』発言ですね」




やっぱり…。私はいたたまれなくなりながらも、相手が折れる気が無いみたいなので答えることにした。



「陛下にお仕えしている方に話すのは心苦しいのですが、初めて見た時私は陛下の目に心が入ってない気がしましたので…」

「へぇ、それはどのように?」



何故だかアレス様は興味津々で食いついてくる。私は割りと失礼な事を言ってる気がするんだけど…。アレス様は何も言わずに待ってるみたいなので私は仕方なく続けた。




「陛下はきっと凄い方です。国をみれば分かります、民を見れば分かります。でもきっと幼い頃から何でも与えられてきた。だから、欲しいのは何でも手に入る。家、食事、服、金、女すべてが手に入るから人に対して興味を示さない…全く面識ない私が勝手に感じた事なんで失礼すぎる感想なんですけど」

「それを初めて合ったあの瞬間だけで思ったの?」

「おこがましい事を言っているのは充分承知です。ただ、私は人の目の動きに敏感で」

「目の動き?」

「はい、その人がどんな風に思っているかとか目は心を映すっていうじゃないですか、まあ、なんとなくなんですけど…」

「なるほど」

「だから、あの時の陛下は表情はあっても目には感情が無かったんです。冷たいっていうよりつまらないっていう」



一気に話して喉が渇いたなって思った瞬間、私は我に返った。なんで私はこんなに話してしまっているんだろう。ただえさえ彼は陛下直属の騎士であり忠誠を誓っているはずなのに。それに、さっきもセシリアに言葉に出しすぎてると言われたばかりだし…やっぱりちゃんと考えてから言おう。



「どうかしましたか?」

「えっ!?いえ、出すぎた言葉を聞かせてしまい申し訳ありませんでした」



私が頭を下げるとアレス様は慌てて、頭を上げるように言った。


「側室のお方が簡単に頭をお下げにならないで下さい」

「そういうものでしょうか」

「はい、それに出すぎた言葉なんかじゃありませんよ。凄く感心致しました」

「えっ?」

「会ったばかりの陛下の事をこんなにも考えて下さるとは」

「いえ、私は別に…」




思った事を言っただけというか…



「貴重なお話しありがとうございます」

「いえっそんな」

「貴女を側室として迎える事になって良かったと私は思います」

「はあ…」

「安心して夜をおまかせ出来ます」

「…夜ですか?」



瞳をキラキラさせながら言うアレス様の言葉を私は理解出来なかった。そして、それは次の瞬間思い知らされることになる。



「夜ですよ、初夜。陛下がミュラ様のお部屋を訪れるじゃないですか」

「あ、ああ。そうですわね」

「それでは、私はそろそろ行きますね。では良い夜を」



爽やかに去って行ったアレス様を見送りながら、私はよろけて側の壁にぶつかった。


「しょ、しょ初夜って」





ええええぇぇぇぇぇ!?


アレスが出てきましたねー

ちょいちょい新キャラ出てくるかもしれません

次回は初夜ですが、エロもくそもないので

安心してご覧下さい←ぇ

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