第7片 「run against・2」
お待たせしました。七話目ですm(__)m
お気に入り登録していただいた方
本当にありがとうございます!!!
到着してすぐに私達は王宮【グロリオサ】にある中央宮殿【クンシラン】に通された。グロリオサは外装だけじゃなく内装も目を見張るものだった。中に入ると美しい青と白を中心としたデザインで、壁や床だけじゃなく、窓枠や扉の取手といった細々としたも物まで繊細な細工がされていた。一方クンシランは対象的に赤と白のデザインで、装飾はもちろん細かくどこを見ても鮮やかだった。
私は思わず靴を脱いで入ろうかと思ったけど、セシリアに静かに止められた。
そうね、ごめん。
とりあえず宮殿の客室に通され、一時だけ荷物もそこに置くことにした。
「早速ですが、着替えていただいて陛下と謁見になっておりますので準備が整いましたらお呼び下さい」
ここまで案内してくれたメイド長は事務的に言うと、速やかに部屋を出ていった。扉が閉まると同時に私は側にあったソファーに倒れこんだ。
あ、むちゃくちゃふわふわしてる。
「やっぱり息苦しいわねここは」
「ミュラ様っ!!」
私がソファーのふわふわ感を楽しみながら呟いた言葉にセシリアは、焦ったように言った。
「ふふ、冗談よ」
「冗談でも、この国の誰かに聞かれていたらどうするんですか?もうここはハンバレンではないんですよ!!」
「分かっているわよ、ここはアカシアの王宮。冗談だとしても聞かれて勘違いされたら一大事。けどね、ずっと神経はってても良いことないわ」
私はニコリと微笑むと、セシリアの眉間のシワを人差し指と中指で伸ばした。するとセシリアは目を見開き、すぐに苦笑した。
「貴女には敵いませんね」
「あら、そう言っていただけるとは嬉しいわ」
そしていつも通り二人で笑い合った。気付いてなかったかもしれないけど、セシリアはアカシアに向かう馬車の中からずっと眉間にシワを寄せたままで、たまに直ったかと思うと私の婚姻の話になるとまた眉間にシワを寄せた。私のことをそこまで思ってくれるのは嬉しいけど、さすがにセシリアの心身が心配だ。これから長いんだから。
「もう少し気を和らげなさい」
「…はい。申し訳ありません」
「謝らなくていいんだから。それより、私の身仕度手伝ってもらえるかしら?」
私がニヤリと笑うとセシリアはパッと顔を明るくさせ、
「勿論です!!」
と張り切った様子で持ってきた荷物を広げ始めた。セシリアが用意したのは薄桃色の生地に赤のアネモネが刺繍されたドレスだった。ぱっと見控え目に見えるが着たときに華やかを醸し出すデザインだ。さすがと言わざるおえない。
「さ、ミュラ様着替えましょう!!!」
セシリアは先程とはうって変わって目を輝かせ、私の着替えを手伝うと手早く髪の毛を結い上げ、落ち着いた印象の化粧を施した。
「セシリアの腕前はいつ見ても凄いわね」
「お褒めに預かり光栄です」
深々と礼をすると、セシリアはメイド長を呼びついに王に謁見する事になった。
ドアの前に立ち、私は小さく息を吐いた。
「ミュラ様大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ」
セシリアに微笑み、開いたらドアの向こうへ一歩踏み出した。謁見の間は、ドアから玉座へと真っ直ぐに青の絨毯がひかれていた。私はゆっくりゆっくり前へと進み、玉座の近くで礼をした。
「お初に御目にかかります。ハンバレン国第1皇女ミュランツ=ストック・ハンバレンと申します。側室としてお呼び頂き感謝致します」
「よい、顔を上げよ」
側で話しているんじゃないかと思うほどよく通る声だった。顔を上げると、最初に目に入ってきたのは2つの金色。初めて見た人は必ず魅入ってしまう美しい瞳。堀の深い端正な顔立ち。なのに、何でそんなに…
「つまらなそうなの…?」
「……………は?」
「えっ」
私は自分の状況を理解した。王の周りの側近たちは目を丸くし、後ろで控えていたセシリアは焦りを隠せない。思わず私は口元を押さえた。
やっとルードビッヒとの体面
はたせて良かったあ(;´д`)
二人がどう思ってるかわ分かりませんが…
感想お待ちしています