第5片「Useless consideration」
5話めです。実はこの作品は
花の名前を取り入れていて
花言葉にも注目して頂きたいです!!!
アカシア帝国中央にそびえる宮殿【グロリオサ】では、新しく迎える側室の為の準備に追われていた。その様子を宮殿の中核塔である【クンシラン】の窓から1人の青年が見下ろしていた。
青年は深い藍色の短髪に夜に浮かぶ月のような金色の瞳をしていた。一目で彼の位が高いと分かる上質な絹の服を着、胡座をかきながら興味がなさそうに呟いた。
「騒がしいな、何事だ」
そんな青年に、側にいた重臣が答える。
「何事だ。じゃありませんよ陛下。もうすぐ新しい側室を迎えるのですから、皆その準備に追われているのですよ」
「そうだったか?」
「陛下、貴方の妻となるお人ですよ。興味がないような言い方をなさらないで下さい」
「本当のことだろうが」
「なっ…」
陛下と呼ばれた青年は、急に砕けて喋ると窓から離れすぐさま執務用の机へ向かった。そこには細かくある一国の事が記された資料が置かれていた。
【ハンバレン国】
別名水の都と呼ばれ、周りを海で囲まれた水源豊かな国。他国との貿易は少なく、同盟国はない。300年の歴史をもち、国民は戦争を好まない穏和な人柄。ハンバレン国の第一皇女、ミュランツ=ストック・ハンバレンはハンバレン国現国王アレハンドロ=ルドベキア・ハンバレンの娘で、国民から【太陽の聖女】と称えられている。性格は穏和で大人しく、勉学にすぐれている―――
そこまで目を通して青年は資料を閉じた。深いため息をつくと、青年は空を見つめた。
「何が【太陽の聖女】だ。どうせ他の姫達と変わらないのだろう」
青年、いや南の帝国ことアカシア帝国国王こと、ルードビッヒ=シュアレンツ・アカシアは今から来る13人目の側室のことを考えていた。けれどそれは期待というよりは諦めに近い感情だ。
ルードビッヒは14才で即位して5年になるが未だに正妃を迎えていない。女に興味がないわけではない。ただ、望めばすぐ手に入るのからだ。側室達はみな、ルードビッヒに気に入られようと着飾り、媚びてくる。それが当たり前であった。だから、どこのどの国の姫君が来たって同じだった。
「どうせ、他の女と何もかわらん」
この時までは。
やっとアカシア国王を出せました。
出来ればワガママ坊やに
したいんですが
中々上手くいかない気がします(笑
ついに次回はミュラと
ルードビッヒの体面!!!(の予定)
ここまで読んで下さり
ありがとうございます!!!