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カタクリ  作者: Anemone
1/12

第1片「start」

初めての連載作品です!!!

たくさんの人に

読んでもらえるように

頑張ります\(^^)/

いつもと変わらない青い空


いつもと変わらない街並み


いつもと変わらない人々の笑顔



私はこの当たり前の風景が大好きだった

優しく、時に厳しく私に

接してくれるこの国のみんなが

とても愛しかった



だから私はその全てを






手放した



***



「ミュラ様!!!どこにいるんですか!?」


私の真下で私を呼ぶ声がする。多分、いや絶対ここにいるせいで私が見えてないんだろうな。私は気にせず重たい目を開けてゆっくりと伸びをした。



「ミュラ様!!!ミューラーさーまーどこですか!!!」


ああ、痺れきらしてきてる。仕方ないなあ、全く。



「とうっ!!」


私は、座っていた木から飛び降りて私の呼び主の前に着地した。


「ミ、ミュラ様!?」



降りてきた私を見て今にも白目を剥きそう…いや、もう剥いてるけど。彼女、私付きのメイドのセシリアは白目を剥いたかと思えば、顔を赤くして私を睨みつけた。



「ミュラ様!!!何をしてるんですか貴女は!?女性が…あろうことかこの国の皇女である貴女が、き…き木の上から飛び降りるだなんてっもっての他です!!!」


「あー、はいはい」


「分かっているんですか!?この前は女性用トイレが遠いからといって男性用のトイレを使用しましたし、馬に乗りたいからといって勝手に城下へおりて店から馬を乗り回しまして…もう少し、いやもっと慎みをもって下さい!!!」


「だって尿意は我慢できないし、城下へおりるのは国民の生活を見るためだわ」


「城下へおりたのはただ単に遊びたかっただけでしょう?」

「あ、バレた?」

「ミュラ様!!!」



耳元で怒鳴るセシリアを横目に私は、自分の部屋に向かう事にした。



「ミュラ様」

「何?まだ説教が続くの?」

「そうではなくて…国王陛下がお呼びです」

「父様が?」



セシリアはゆっくりと頷き、私を父様のもとへ案内した。






***


ここ、ハンバレン国は「水の都市」と呼ばれるほど水源豊かな小国だ。私はこの国の第1皇女なのだ。皇女といっても崇拝、信仰される類いではなく気軽に話せる王族として国民は接してくれる。

私はそれが嬉しくてたまらない。特別扱いをされるのは嫌だから、なるべく普通に接してほしい。そんな私の意見を父様は尊重してくれる。





セシリアに案内され、私は父様の私室の目の前に来た。



「国王陛下、ミュラ様をお連れしました」

「通せ」

「失礼します」



入ると赤い革のソファに腰かけ、こちらを一瞥し笑顔を崩さない父様がいた。


―何かおかしい。




「ぼーっとしてないでこちらへおいで」

「あ…はい」



私は慌て父様のもとへ行き、父様は目配せをしてセシリアをさがらせた。




「…それで父様、何故お呼びしたのですか?」

「今は2人きりだ。敬語はおやめ」

「わかった、父様が私を呼ぶなんて珍しいわね。何かあったの?」



すると父様は笑顔を消し、さっきとはちがう真剣な眼差しで私を見つめた。



「ああ…すまないミュラ」

「どうしたの一体?」

「本当にすまない」



私はただ謝り続ける父を見て、不安が押し寄せてきた。



「謝ってるだけじゃ分からないわ」

「本当にすまない」

「何が…」



「お前を南の帝国へ嫁がせることになった」


「何言って…」


「側室として呼ばれたんだお前が」









「え?」








世界が崩れる音がした。


感想お待ちしてます!!!

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