表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】全知の書庫アカシックレコードの継承者  作者: 刻彫
第一章 『囚われの金髪姫』
4/68

第3話  『奴隷の薬』

 翌日、イザナは労働中に激しく咳き込み、血を吐いた。

監督は顔をしかめて言い捨てる。


「こんな病人の奴隷に価値はねえ。すぐに捨てるしかないな」


「待てや!」

 ダンが怒鳴り、イザナの背を支える。

「こいつはまだ生きてんだ! 勝手に捨てさせねえ!」


 僕は二人の姿を見つめながら、昨夜の夢を思い出していた。

 図書館に記された、あの野草の絵。

 もし、本当にあれが――。


 労働場の片隅、道端に小さな草が生えているのが目に入った。震える手でそれを指さす。


「……あの草……煎じれば……」


 震える手で摘んだ草を、石で必死にすり潰す。

 水も鍋もない。仕方なく、手元にあった水筒のぬるい水を少し垂らし、泥のように練り合わせる。

 葉巻用に使っていた大麻の紙を広げ、その上にペーストを包み込む。


「……これで……飲んでみて……」


 差し出された包みを見て、イザナとダンは顔を見合わせた。


「おい……これ、本当に大丈夫なのか?」

「ラマティ……お前、何を……」


 唇を震わせながら答える。

「夢で……見たんだ。あの草で、病が静まるって……」


 ダンは呆れたように鼻で笑い、けれどイザナは苦しい咳の合間に、弱々しく笑った。


「夢で見た薬か……はは……神託か? 悪くねぇ。どうせ死ぬんなら、夢の薬で博打してやるぜ……」


 そう言って、彼は泥薬を口に含んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ