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【完結】全知の書庫アカシックレコードの継承者  作者: 刻彫
第二章 『贖罪の葬列編』
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第24話 『制御権限:ハンドラー』

「……ラマティ、お前さっきから一人で何言ってんだ?」

 横からダンの大きな声が飛んできた。振り返ると、彼はきょとんとした顔をしている。

 ……え? ダンには……何も起きてない……?


 頬を伝って、勝手に涙がこぼれ落ちていく。

「な、なんで……僕……」

 

 ――その時、冷たい無機質な声が脳内に響いた。


《……ユニークスキル【クレイジーフール】は対象に刻まれました。未発動のため、本人には自覚がありません》

《【ハンドラー】の権限も、あなたとイザナに付与されています》


 その時、御者台からイザナの声が鋭く響いた。

「……おい、この馬……妙に従順になってないか?」

 手綱を握る指先に力を込めながら、低く呟く。


《効果――【ハンドラー】は“騎乗・制御対象”にも干渉を及ぼします》

《イザナに刻まれた【ハンドラー】の効力により、馬の動きは最適化されています》


「……まるで意志が繋がってるみたいだな」

 イザナが鼻を鳴らし、馬を軽く走らせると、動きはまるで人間のように滑らかだった。


「おーい! なんだなんだ? 急に馬が速ぇぞ!」

 荷台で毛布に寝転んでいたダンが驚いたように叫ぶ。


「ちょ、ちょっと……! 瓶が揺れたら薬こぼれちゃうから、あんまり早くしないでね!」

 僕は慌てて小箱を抱きしめ、声を上げた。


「分かってる。……とりあえず水場を探すぞ」

 イザナは視線を前に向けたまま、落ち着いた声で答える。


「補給できるうちに汲んでおいた方がいい。砂漠が近い以上、何が起こるか分からんからな」




★★★


 

《スキル名:ハンドラー》


《効果》

・対象のユニークスキル【粉砕愚者(クレイジーフール)】発動を“感知”できる。

・共鳴状態を発生させることで、対象の暴走を抑制・停止させることが可能。

・共鳴下では、対象の力の一部を共有し、自身の身体能力を一時的に強化できる。

・副次効果として、騎乗・制御対象(馬など)の動作を最適化し、意思疎通のような操作が可能。


《副作用・制約》

・制御には対象との“縁”が必須。縁が弱まれば共鳴は成立せず、制御不能。

・制御者の心身に負荷がかかる。


《備考》

・【粉砕愚者(クレイジーフール)】の安定運用のため、アカシックレコードが特例として付与した制御権限スキル。

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