悪役令嬢、不覚にも紙飛行機で婚約破棄のフラグを立ててしまう
本作は「なろうラジオ大賞6」応募作品となります。
1000文字以内の作品です。
選んだお題は「紙飛行機」です(*´▽`*)
私の婚約者はピンクブロンド髪の男爵令嬢に惚れきっている。
ピンクブロンドも彼との仲をわざと私に見せつけるし、私の悪口も言って回っているようだ。
でも私が逆上して構おうものなら、鬼の首を取ったかのように、私に虐められただの言いがかりをつけ、私を悪役令嬢に仕立て上げるだろう。
だから私はきっぱり距離を置いている。
しかし王宮の茶会でいきなり、ピンクブロンドが私の婚約者に腕を絡ませながら私を名指しした。
「ダーナ・ハロッド公爵令嬢! あなたはケイス・ガルマン様に相応しくないわ! 婚約破棄されるべきよ」
私はぽかんとした。
何かしたっけ? こんな事態にならぬよう、ピンクブロンドは極力避けてたはず!
そのとき、ピンクブロンドの手に紙飛行機を見つけた。
見覚えがある。私が幼い王子様の遊び相手を務めたとき一緒に折ったものだ。
ピンクブロンドは言った。
「この紙飛行機はあなたが折りましたね」
「ええ」
返事はしたが、なぜ紙飛行機ごときで勝ち誇った顔をするのか私には分からない。
「この紙はうちの商会が扱う特級品よ」
「はあ。確かに上質でしたわ。厚手でよく飛びました」
「皆様聞きました? 王家に献上された希少紙を紙飛行機にして飛ばしたんですって!」
ピンクブロンドは断罪の同意を得ようと出席者を見回した。
「確かによくはないけど……」
王子様に悪戯顔で紙を与えた王妃様も「紙飛行機にしたらきっと凄いわ、でも内緒よ」と言ってたし。
「法律を書き記す紙よ、つまりあなたは法律を愚弄してるの! 宰相家の妻にはありえない」
何その理屈! 凄いこじつけ!と私は驚いた。
しかし、なぜこの紙飛行機を持ってるの。
王子様が気に入って、宝物にすると言ってたのに。
すると、うわ~んと泣き声がした。
「僕の大事な飛行機、あの人に盗られた~!」
茶会に乱入してきた王子が指差したのはピンクブロンドだった。
王子の泣き声に同情を誘われた出席者は批判の声を上げた。
風向きの悪さを感じ、ピンクブロンドは慌てて言い訳した。
「王子様、落ちてましたの。ゴミかと思って」
私は呆れた。
大事な紙を自分でゴミとか言っちゃう?
私のツッコミとは別に、王子はピンクブロンドを見据えた。
「飛ばして落ちただけ。拾おうとしたらおまえが盗った。返してって言ったのに」
出席者はピンクブロンドに非難の目を向ける。
ピンクブロンドは周囲の目が痛くておずおずと紙飛行機を返し、背中を丸め逃げ去った。
この一件は婚約破棄の理由になるわね。
お読みくださってありがとうございます!
とっても嬉しいです!!!
なろラジ用の1000文字小説です!\(^o^)/
1000文字めっちゃムズい。
他の作者様があれだけのクオリティ発揮してるの、すっごくびびる(笑)
もし少しでも面白いと思ってくださったら、
感想やブックマーク、ご評価★★★★★の方いただけますと、
作者の励みになります!(*´ω`*)
どうぞよろしくお願いいたします!