3-2: 「貿易都市と不思議な少女」
リバンスは、アーカルムへの第一歩となるタレイド行きの馬車に乗り込んだ。窓際の席に腰を下ろすと、隣にはフードを深く被った少女が座っていた。
「やぁ、どこまで行くの?」リバンスは軽く声をかけてみたが、少女は一切反応を示さなかった。
(無視かぁ…まぁいいか)
少し傷ついたものの、リバンスは気にせず窓の外に目を向けた。広大な草原が果てしなく続く景色に、彼の心は少しずつ高鳴っていく。
(タレイドまでまだ時間があるな…少し眠るか)
そう思い、リバンスは目を閉じた。
「ガランガラン」
到着を告げるベルの音で目を覚ますと、隣の少女は既に立ち上がり、足早に馬車を降りていった。リバンスもゆっくりと荷物をまとめ、他の乗客たちに混じって下車した。
貿易都市タレイドは、その名に恥じない賑わいを見せていた。色とりどりの商品が並ぶ露店、各国の言葉が飛び交う市場、そして高くそびえ立つ商館群。その活気に圧倒されながら、リバンスは歩を進めた。
(アーカルム行きの飛空艇までまだ時間があるな…少し街を見て回るか)
華やかな建物や賑やかな広場を巡るうち、リバンスは自分の装備に目が留まった。
(そういえば、ずっと同じ装備だったな…今まで雑用ばかりで戦う機会もなかったし、お金もなかったから買い換えられなかったんだよな)
幸い、今のリバンスにはレッドオークの角とアイスバードの羽で稼いだゴールドがある。これを機に装備を新調しようと、彼は装備屋へと足を向けた。
その途中、例の不思議な少女と再び遭遇した。彼女は市場の露店を物色しているようで、一瞬リバンスと目が合った。しかし、少女はすぐに目をそらし、何事もなかったかのように歩き去っていった。リバンスも特に声をかけることはせず、装備屋への道を続けた。
「いらっしゃい!」装備屋のおじさんが、明るい声で迎えてくれた。
「新しい装備を探してるんだ。何かいいのはあるかな?」
リバンスは店主と会話を楽しみながら、丁寧に装備を吟味していった。結果、彼は新しい剣と軽量の鎧を手に入れた。
(よし、これで少しは戦えそうだ)
満足げに新装備を身につけたリバンスは、店を出て歩き出した。




