1-1: 「無能冒険者の朝」
リバンス
魔法が全く使えない冒険者。小さな村で育ち、病気の妹の治療費を稼ぐために都会にやってきたが、魔法の才能がまるでなく、日々の雑務ばかりをこなしている。性格は陽気で楽天的だが、自分の無能さには内心コンプレックスを感じている。妹のためにも、一攫千金の夢を叶えたいと強く願っている。特技は、人の動きや仕草を完璧に模倣すること。今はまだ、自分の真の力に気づいていないが、彼の運命はやがて大きな試練と向き合うことになる…。
グレン
駆け出しの冒険者で、リバンスの「仲間」として行動しているが、実際は彼を便利な雑用係として使っている。口が悪く、皮肉な言葉でリバンスをからかうのが日常茶飯事。自分では少し魔法が使えることを誇りに思っており、リバンスを見下すことで自尊心を保っている。表向きはリバンスと協力しているように見えるが、内心では自分が彼より優れていると思っている。いつか大きな冒険で名を挙げたいと考えているが、実力と性格の面で少し未熟なところがある。
朝の陽射しが街の石畳を静かに照らし始めた頃、リバンスはいつものように目を覚ました。冒険者宿の狭い一室には、古びた木製の家具と彼の荷物が雑然と置かれているだけで、装飾らしいものは何もない。彼は体を起こし、ベッドサイドのカーテンを引いて外の景色を一望した。
「今日も快晴だな……」
そう呟いて、リバンスは伸びをする。体中の筋肉が悲鳴を上げるように張り詰めるが、慣れたもので気にすることもない。彼は寝ぐせを手で軽く整え、簡素な服に着替えた。
食堂へと向かう階段を降りると、木の板が微かに軋んだ音を立てた。階下にはすでに何人かの冒険者たちが集まっており、朝食を楽しみながら今日の依頼について話し合っている。
「リバンス、おはよう!今日はどんな依頼を受けるの?」
宿の女将が、カウンター越しに親しげに声をかけてきた。彼女はリバンスのことを気にかけてくれる数少ない人物の一人だ。
「おはようございます、女将さん。今日はちょっとしたモンスター退治の手伝いです。ま、いつもの雑用だけど……」
リバンスは軽く笑って答えた。彼には魔法の才能がなく、冒険者としての実力もまだまだだったため、雑務をこなすのが日常となっている。
その時、不意に背後から声がかかった。
「よぉ、リバンス!また俺たちの荷物持ちか?ちゃんと役に立てよな!」
振り返ると、グレンが腕を組んで立っていた。彼はリバンスと同じ駆け出し(かけだし)の冒険者だが、いつも彼を雑用係としてこき使っている。
「分かってるって、グレン。今日も一生懸命やるさ。」
リバンスは愛想笑いを浮かべながら答えたが、その目には少しの悔しさが見え隠れしていた。グレンは鼻で笑いながら、テーブルに広げた地図を指差す。
「今日は近くの洞窟だ。モンスターが住み着いてるらしいけど、お前には関係ねぇか。どうせ雑用しかできないんだからよ。」
リバンスは苦笑いを浮かべ、頷いた。魔法が使えないという現実が、彼をこの立場に追いやっていることは分かっていた。それでも、自分なりに役立てる方法を模索するしかない。
「……まぁ、俺なりにできることをやってみるよ。」
そう言って、リバンスはカウンターに戻り、注文したパンとスープを手に取った。今日もまた、彼の雑用の一日が始まる。
さて、アイデアもかなり思い付きでスタートはしましたが、読者がワクワクするような小説をがんばって作っていきます。温かく見守ってください。
タイトルの略称は「俺コピ!」でよろしく頼みます。
#俺コピ!