節分エッセイ ~大豆の起源~
ごきげんよう!! ひだまりのねこです。
今年も節分がやってきましたが、
節分といえば大豆。
今日は身近にありながら意外と知らない……かもしれない大豆のお話。
と思ったんですが、大豆のことを書き始めると長くなるので、
大豆の起源について少しだけ。
昔から腹立たしいことがある。
何かの起源を調べてみるといい。
『~世紀頃に朝鮮半島を経由して中国から伝わったといわれています』
判で押したようなテンプレのオンパレード。
とりあえずそう言っておけば問題ないだろう的な配慮もあるのだろうが、この思考停止な状況はいつまで続くのだろう?
たとえば大豆。
豆腐、納豆、味噌、しょうゆ、油揚げ、枝豆、あえて例を挙げるまでもなく、日本の食卓には無くてはならないもの。
タンパク質をはじめ、脂質、糖質、ビタミンB1、ビタミンE、葉酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅など、栄養素の種類が豊富でビタミンやミネラルの含有量も多い。
一方で、肉と同程度の良質なたんぱく質を持ちながら、コレステロールが全く含まれていない、余分な脂質を摂取することもないということで、いわゆる大豆ミートとして今後間違いなくより注目されてゆくまさにミラクルな食材。
だが、大豆製品を扱うメーカー等の大豆に関する説明は、ほとんどのところが、次のようなテンプレを使用しているのが現状だ。
『およそ2000年前の弥生時代に稲作と共に朝鮮半島を経由して中国から伝わったといわれています』
???
ちょっと待ってほしい。
稲作もそうだが、大豆は少なくとも13,000年前の縄文時代前期の遺跡からも見つかっているんだが?
栽培種である大豆の原種は『ツルマメ』という野生種だが、日本を含めた東アジアの複数個所で自生している。
そして、日本では、紀元前4000年前の縄文時代中期には、すでに品種改良によって生まれたとみられる大型の大豆に切り替わっていることが確認されている。
これは、他の東アジアでは見られないものであり、少なくとも他地域に先駆けて大豆の品種改良あるいは栽培が盛んだったと言えるのではないか?
別に大豆の起源は日本だ!! とかそういうことを言いたいわけでもないし、加工方法など、大陸から影響を受けたことも事実なわけで。
起源よりも、今現在豊かな大豆文化がこの国にあることを感謝しているのだが、先に紹介したようないい加減なテンプレ文を見てしまうと、なんだかなあ……ともモヤモヤしてしまうのだ。
気にしていない人がほとんどかもしれないですけど、それって1万年にも及ぶ縄文時代の存在を否定していることになっているんですけどね。
まるで弥生時代以前の日本には、何の文化も歴史もなくて、原始人が暮らしていたとでも言いたいんでしょうか?
発掘や調査の技術の精度が上がり、ここ数十年で色々なことがわかってきたとはいえ、刷り込まれたイメージが変わるまでには、まだまだ先は長そうです。
頑張れ研究者の皆さま!!
節分の日に、そんなことを考えてしまう縄文文化大好きなねこなのです。