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短いお話

フレンドリー

作者: 蒼井托都

たらたらと、冷や汗が全身を駆け巡っていくような錯覚が、シンヤを包んでいた。

地べたにぺったりと座り込んでしまったシンヤを、

制服姿で今にも登校しますと言わんばかりのミワカが有無を言わさぬ能面のような表情で見下ろしてきている。

太陽を背にしたミワカは、普段よりも二倍増しに恐ろしく見える。

それはさておき、シンヤが今やらなくてはいけないのは、こっそりと続けていた朝帰りの言い訳をすることだ。「愛しのミワカ様」に。

けれども、この朝帰りの言い訳をどうしろと?


ミワカは信じてくれるだろうか?

実は俺仕事終わってから週二のシフト制で地球の平和を守ってたんだこんな任務のことなんて今まで組織の完全秘密主義で言えなかったし第一誰にも信じてもらえそうになかったし帰りの格好はどこからどう見ても仕事帰りのスーツ着た新卒サラリーマンにしか見えないし。

思わず言い訳になっていない言い訳が浮かんだが完全に秘密主義制約に違反しているので、シンヤはそのすべてをぐっとこらえてただミワカを見返していた。

「大人の事情、ってやつだよ。うんそれっ」

やっともっともらしい気障な言葉が浮かんできて安心しかけたシンヤだが、

「何が大人の事情だよあんたまだまだ子供じゃないそれにそんなことを言いだす時ほど何かあるのよ」

ミワカには究極の危機回避文句「大人の事情」は通用しそうになかった。


これは本当のことを言うしか道がないのでは?

シンヤにとって、制約違反よりも今のミワカのほうが充分怖い。




○お読みいただきありがとうございます。

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めちゃくちゃ一場面を切り取りました感が出ている短編です。

こちらも他の短編と同じく2006年頃に書いていたものです。

付き合っているのかただ単に親しいのかな男女の男側が謎の朝帰りを繰り返していて女側に詰められている一部始終。ですよね?2006年の自分。(聞くな


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