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名状しがたきこの世界  作者: まがたま
序章
2/13

希望から絶望へ。

ちょっぴり長くなりました。

まだまだ頑張ります!

「一体何が起こってるんだ、、、?」


新堂は困惑した。


(俺は赤山と一緒に帰っていて、そこで急な眠気に襲われて、、、あれ?)


新堂は気づいた。


赤山が居ないということに。


(赤山がいねぇ!)


辺りを急いで見渡す。


真っ白で、四角の部屋。部屋の真ん中には机がある。


その机の上に、紙があることに新堂は気づいた。


「なんだ、、?メモか?」


歩み寄り、その紙を手に取る。


そこには、こう書かれていた。


『制限時間は2時間だ。ここから出たいなら、この部屋に血を、肉を、臓物を捧げよ。

そうすれば、君は助かる。』


「は?」


訳が分からない。そんなもの捧げたら俺は死んでしまうじゃないか。


第一、この部屋にドアなんて無いのにどうやって出れるんだ?


もう一度辺りを見回す。すると、さっきは見つけられなかったのであろう、四方にドアがある事に気づいた。


「あれ?さっきドアなんて見つけられなかったのに、、、」


少し混乱したが、きっと慌てていたから見つけられなかったのだろうと、自分の中で答えを出した。


どうしよう、と考える。


あの紙に書かれていることが本当なら、制限時間がある。


だったら、ここでずっと待っているよりもドアを開けて、探索した方がいいのかもしれない。


その上、


(きっと、あの4つのドアの中のどれかに、赤山が居るに違いない!)


という、淡い希望を抱き、新堂は探索をすることを決意した。


そして、1つ目のドアの前に立つ。


そのドアには、ナイフとフォークが描かれている、鉄の扉ということが見て分かる。


ドアノブに手をかけ、ドアを開ける。


ドアの向こうは、ごく普通の大きさ、普通の設備が整ったように見える調理場があった。


ステンレス製だろうか、銀色に輝いている。


「調理場、、、?何かないかな?」


足を踏み入れ、辺りを見回す。


たくさんの調理器具が壁にかけられている。


その中には、刃渡りおよそ20センチ程の、包丁もあった。


「包丁、、、!護身用になるかもしれない!」


取り敢えず手に取り、少し振り回してみる。


「無いよりは断然マシだな。」


そう言って、包丁を振り終えた所で、包丁の刀身につけるようなケースを見つけた。


「あれ、ケースもある。」


ケースを手に取り、包丁を納める。それはピッタリとハマった。


「これでポケットに入れても安全だなぁ。助かるわ。」


ズボンのポケットに包丁をいれて、もう一度辺りを見回す。


先程とは変わりない、調理場が広がっている。


(ここでの収穫はこれだけか。)


そう考え、調理室を後にした。


元の真っ白な部屋に戻ってきた。だが、少し変化があった。


真っ白だったはずの部屋の角という角から、黒い線がカビのように広がってきている。


「なんだ?」


明らかに異様だ。


(これが制限時間を表してるのか、、、?だとしたら、部屋が真っ黒になったら終わりってやつか?)


もし、そうならば。時間がない。


「畜生!のんびりしてる暇なんて無いんだ!」


次のドアに早歩きで向かう。そのドアには、大きな鳥のような模様が描かれている、分厚い鉄のドアだった。


だがしかし、鳥と言うにはあまりにもおかしい。


手があり、足があり、翼は異様に大きい。


しかし、そんなことに新堂は気づくことは出来なかった。


ドアを開ける。


真っ暗だ。


しかし。







「グギャァァァアアア!!!!!」






人のものでは無い、はっきりと分かる。


そんな叫び声がはっきりと聞こえた。


そこには。


異様の存在が立っていた。


二足歩行で、巨大で、手があって。なのに、烏のような漆黒の羽毛に包まれていて、羽根があって、


嘴があって。まさに、烏と人を足して巨大にした様だ。


「ぁあ。、、ぁああ!」


新堂は、声にならない声を出した。


その場で腰を抜かし、動くこともままならない。


(殺される!!?俺はこいつに殺されるのか!?)


死という言葉が、脳裏に焼き付いて離れない。


急に部屋が明るくなった。


新堂も、『それ』も、急に明るくなった部屋に怯む。


しかし、次に目を開けた時、新堂はさらなる絶望に襲われる。


そこには。












恐怖と苦痛の顔に歪んだ、赤山の生首があった。








次は来週か、明日か。

気が向いたらです!

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