希望から絶望へ。
ちょっぴり長くなりました。
まだまだ頑張ります!
「一体何が起こってるんだ、、、?」
新堂は困惑した。
(俺は赤山と一緒に帰っていて、そこで急な眠気に襲われて、、、あれ?)
新堂は気づいた。
赤山が居ないということに。
(赤山がいねぇ!)
辺りを急いで見渡す。
真っ白で、四角の部屋。部屋の真ん中には机がある。
その机の上に、紙があることに新堂は気づいた。
「なんだ、、?メモか?」
歩み寄り、その紙を手に取る。
そこには、こう書かれていた。
『制限時間は2時間だ。ここから出たいなら、この部屋に血を、肉を、臓物を捧げよ。
そうすれば、君は助かる。』
「は?」
訳が分からない。そんなもの捧げたら俺は死んでしまうじゃないか。
第一、この部屋にドアなんて無いのにどうやって出れるんだ?
もう一度辺りを見回す。すると、さっきは見つけられなかったのであろう、四方にドアがある事に気づいた。
「あれ?さっきドアなんて見つけられなかったのに、、、」
少し混乱したが、きっと慌てていたから見つけられなかったのだろうと、自分の中で答えを出した。
どうしよう、と考える。
あの紙に書かれていることが本当なら、制限時間がある。
だったら、ここでずっと待っているよりもドアを開けて、探索した方がいいのかもしれない。
その上、
(きっと、あの4つのドアの中のどれかに、赤山が居るに違いない!)
という、淡い希望を抱き、新堂は探索をすることを決意した。
そして、1つ目のドアの前に立つ。
そのドアには、ナイフとフォークが描かれている、鉄の扉ということが見て分かる。
ドアノブに手をかけ、ドアを開ける。
ドアの向こうは、ごく普通の大きさ、普通の設備が整ったように見える調理場があった。
ステンレス製だろうか、銀色に輝いている。
「調理場、、、?何かないかな?」
足を踏み入れ、辺りを見回す。
たくさんの調理器具が壁にかけられている。
その中には、刃渡りおよそ20センチ程の、包丁もあった。
「包丁、、、!護身用になるかもしれない!」
取り敢えず手に取り、少し振り回してみる。
「無いよりは断然マシだな。」
そう言って、包丁を振り終えた所で、包丁の刀身につけるようなケースを見つけた。
「あれ、ケースもある。」
ケースを手に取り、包丁を納める。それはピッタリとハマった。
「これでポケットに入れても安全だなぁ。助かるわ。」
ズボンのポケットに包丁をいれて、もう一度辺りを見回す。
先程とは変わりない、調理場が広がっている。
(ここでの収穫はこれだけか。)
そう考え、調理室を後にした。
元の真っ白な部屋に戻ってきた。だが、少し変化があった。
真っ白だったはずの部屋の角という角から、黒い線がカビのように広がってきている。
「なんだ?」
明らかに異様だ。
(これが制限時間を表してるのか、、、?だとしたら、部屋が真っ黒になったら終わりってやつか?)
もし、そうならば。時間がない。
「畜生!のんびりしてる暇なんて無いんだ!」
次のドアに早歩きで向かう。そのドアには、大きな鳥のような模様が描かれている、分厚い鉄のドアだった。
だがしかし、鳥と言うにはあまりにもおかしい。
手があり、足があり、翼は異様に大きい。
しかし、そんなことに新堂は気づくことは出来なかった。
ドアを開ける。
真っ暗だ。
しかし。
「グギャァァァアアア!!!!!」
人のものでは無い、はっきりと分かる。
そんな叫び声がはっきりと聞こえた。
そこには。
異様の存在が立っていた。
二足歩行で、巨大で、手があって。なのに、烏のような漆黒の羽毛に包まれていて、羽根があって、
嘴があって。まさに、烏と人を足して巨大にした様だ。
「ぁあ。、、ぁああ!」
新堂は、声にならない声を出した。
その場で腰を抜かし、動くこともままならない。
(殺される!!?俺はこいつに殺されるのか!?)
死という言葉が、脳裏に焼き付いて離れない。
急に部屋が明るくなった。
新堂も、『それ』も、急に明るくなった部屋に怯む。
しかし、次に目を開けた時、新堂はさらなる絶望に襲われる。
そこには。
恐怖と苦痛の顔に歪んだ、赤山の生首があった。
次は来週か、明日か。
気が向いたらです!