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ラウラのぼうけん 2

 ウサギにとおしてもらった雪の道を、あるいていくと、今度はキツネに出会いました。

「おや、めずらしい。この森に、おきゃくさんが、くるなんて」

 キツネは、ラウラを見ると、おどろいたように、言いました。


 ラウラは、からだにつもった雪を、はらいのけながら、キツネに問いかけます。

「金のかみと(あお)い目の、きれいな男の子は、この先にいる?」

 キツネは少し考えて、「ああ」と大きくうなづきました。

「それは、女王さまのおきゃくさんだね」

「このまま行けば、会えるの?」

 ラウラは、キツネに聞きました。


 ラウラの問いかけに、キツネはラウラを、じっと見つめると

「男の子はあっちだよ。そのきれいな首かざりをくれたら、とおしてあげる」

 そう言って、じぶんの首を、ラウラに向けました。

 ラウラはおかざりラウラです。うでかざりと、耳かざりはなくなりましたが、まだ少し、かざりを身につけていました。


 ラウラは、少しかんがえると

「これで、ユーリの所へ行けるなら」

 そう言って、キツネの首に、首かざりをつけてあげました。

 きれいな首かざりをつけてもらったキツネは、よろこんでラウラに道をあけました。




 ずいぶんと長い道をあるいてきたような気がします。雪をはらいのけるラウラの手は、もうつめたくなっていました。それでもラウラは、とまりません。

 すると、目のまえに、ヒツジがあらわれました。

「おや、めずらしい。この森に、おきゃくさんが、くるなんて」

 ヒツジは、ラウラを見ると、おどろいたように、言いました。


 ラウラは、つめたくなった手のひらに、いきをふきかけると、ヒツジに問いかけます。

「金のかみと(あお)い目の、きれいな男の子は、この先にいる?」

 ヒツジは少し考えて、「ああ」と大きくうなづきました。

「それは、女王さまのおきゃくさんだね」

「このまま行けば、会えるの?」

 ラウラは、ヒツジに聞きました。


 ラウラの問いかけに、ヒツジはラウラを、じっと見つめると

「男の子はあっちだよ。そのきれいなかみかざりをくれたら、とおしてあげる」

 そう言って、じぶんのふわふわの頭を、ラウラに向けました。

 ラウラはおかざりラウラです。だけど、うでかざりと、耳かざりと、首かざりはなくなりました。たったひとつ、のこっているのが、かみかざりです。


 ラウラは、少しかんがえます。これがなくなったら、もう、おかざりラウラではありません。

 けれど、ラウラは言いました。

「これで、ユーリの所へ行けるなら」

 そうして、ヒツジの頭に、かみかさりをつけてあげました。

 きれいなかみかざりをつけてもらったヒツジは、よろこんでラウラに道をあけました。


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