表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

ラウラのぼうけん 1

 森のなかは、見わたすばかり雪ばかりで、ラウラは、どこをどうあるいていけばいいのか、わかりません。けれど、目のまえにあるまっすぐな道を、すすんでいくことに、決めました。

 とてもさむくて、ラウラは小さな体を、まるめるようにして、あるいていきます。


 ふりつづく雪が、ラウラの栗色(くりいろ)でふわふわなかみや、小さなかたにつもります。こまめにはらいのけないと、ラウラまで、雪にうもれてしまいそうです。

 そんななか、ラウラの目のまえに、いっぴきのリスが、あらわれました。


「おや、めずらしい。この森に、おきゃくさんが、くるなんて」


 リスは、ラウラを見ると、おどろいたように、言いました。

 ラウラは、リスに問いかけます。

「この森で、金のかみと(あお)い目の、きれいな男の子を、見なかった?」

 リスは少し考えて、「ああ」と大きくうなづきました。

「それは、女王さまのおきゃくさんだね」

「どこに行けば会えるの?」

 ラウラは、リスに聞きました。


 ラウラの問いかけに、リスはラウラを、じっと見つめると

「男の子はあっちだよ。そのきれいなうでかざりをくれたら、とおしてあげる」

 そう言って、じぶんの小さな手を、ラウラにさしだしました。

 ラウラはおかざりラウラです。この日も、たくさんのかざりを、身につけていました。


 ラウラは、少しかんがえると

「これで、ユーリの所へ行けるなら」

 そう言って、リスの小さな手に、うでかざりをつけてあげました。

 きれいなうでかざりをつけてもらったリスは、よろこんでラウラに道をあけました。




 リスにとおしてもらった雪の道を、あるいていくと、しろいけしきの中で、何かうごいているのが見えました。ウサギです。

 ウサギは、ラウラを見ると、おどろいたように、言いました。

「おや、めずらしい。この森に、おきゃくさんが、くるなんて」


 ラウラは、ウサギに問いかけます。

「金のかみと(あお)い目の、きれいな男の子は、この先にいる?」

 ウサギは少し考えて、「ああ」と大きくうなづきました。

「それは、女王さまのおきゃくさんだね」

「このまま行けば、会えるの?」

 ラウラは、ウサギに聞きました。


 ラウラの問いかけに、ウサギはラウラを、じっと見つめると

「男の子はあっちだよ。そのきれいな耳かざりをくれたら、とおしてあげる」

 そう言って、じぶんのながい耳を、ラウラに向けました。

 ラウラはおかざりラウラです。うでかざりはなくなりましたが、まだ、たくさんのかざりを身につけていました。


 ラウラは、少しかんがえると

「これで、ユーリの所へ行けるなら」

 そう言って、ウサギのながい耳に、耳かざりをつけてあげました。

 きれいな耳かざりをつけてもらったウサギは、よろこんでラウラに道をあけました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ