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第八話《美少女ケンタウロスが汗を輝かせる図はなんとも絵になる!》

 『ケンタウロス』と言えば、恐らく最も知名度の高いモンスター娘であろう。半人半馬、馬の首から上が人間の上半身になっているのがケンタウロスだ。下半身が丸々馬一頭であるケンタウロス娘は、少女でありながら巨体を持っているというのがそそられる。馬の部分に関してだが、描く人によってずっしりと重量感があったり、細身ですらっとしていたりするが、俺はどっちも大好きです! 脚の筋肉の感じが健康的で良いよね!

 ケンタウロス娘は和洋どちらの服装も良く似合う。洋風のドレスであったり、甲冑を纏ったケンタウロス娘のなんと凛々しい姿か! 和風の場合は着物や、弓道着なんかもう最高だね! 流鏑馬的なね!

 ケンタウロス娘の良い所は、想像しやすいという点もあると思う。だって下半身がまんま馬なんだもの。ちょっと検索すれば、色んな画像が見られるんだもの! 馬の画像や動画を見ながら『あぁ、ケンタウロス娘の身体もこうなってるのかなぁ』なんて、妄想が、妄想がぁぁああああ!!!!!!!!!!


◆   ◆


「ラミア、ハーピーと来たら、次はケンタウロス娘だと思います!」

「だから待て貴様! テンポが早い! 確かに我は貴様に変身の全てを教えると言ったが、ちょっと落ち着け!」

 ケンタウロス娘化に向けてトランクスを脱ごうとする俺を女王が止める。

「この白い部屋について、そろそろ話そうと思うぞ。聞いてくれるな?」

「手短にお願いします!」

「……善処するぞ」

 そして、二度目の説明回が始まってしまうのか……!?


◆   ◆


「さっき話した『ノアの方舟』の話の続きだぞ。この我『百獣の女王』は『方舟に乗れなかった生物達』の集合体な訳だが、つまりそれは『大洪水を乗り越えた世界』から弾き出された存在という意味だ。今のこの世界に我の居場所は無い。そう、この白い部屋、白い『箱』の中を除いて、な」

「それじゃ、この『箱』って」

「我は『ハオンの方庭』と呼んでいる。我はこの『方庭』の中で待ち続けた。そうして、ようやく貴様が現れてくれたんだぞ」

「……どうして、俺と融合を?」

「貴様がこの『大洪水を乗り越えた世界』の一部だからだ。貴様を取り込む事で、我は外の世界への耐性を得た……我は貴様を利用しようとしているのだ」

「……女王?」

「貴様があまりにも楽しそうにしているのでな、話しておきたかったんだ」

「……それなら、俺も同じですよ。俺も女王を利用してるだけです。お互い様だから、その、気にしないで」

「……ふふっ、貴様は面白い奴だな」

「女王も良い子ですよね、俺みたいな奴に気を遣って」

「……それじゃあ『モードケンタウロス』を始めるぞ」


◆   ◆


「やり方はラミアやハーピーと同じで良いんですよね!」

「うむ、ケンタウロスはラミア程ではないが、下半身が大きいからな、横になると良いぞ!」

「分かりました! 変身! ケンタウロス!」

 俺は横向きに寝そべり下半身だけ半スラ状態、そしてスライム化させる。前脚は自分の両脚をそのまま馬の物に変化させるだけだが、馬の胴体と後脚を作るのには少し苦労した。感覚の麻痺した背中からお尻にかけての部分を、グイーンと引っ張られる変な感じ。伸びきったお尻から、更に後脚になる部分を引っ張る。

「んっ、ふっ、うぁ、ふぅ」

ラミアより形が複雑だからだろう、感覚も遠いため時間がかかってしまう。ちゃんと尻尾の形を作り、半スラ状態に戻った所で重大な事に気づく俺!

「どうした? もうすぐ完成だぞ?」

「……毛色、どうしよう」

 ケンタウロス娘の体毛の色、これは悩み所だ! スタンダードに茶色か、美しい白馬、あるいは漆黒のボディもカッコイイ! いや待て、ハーピーの時と同じく髪の色に合わせるのが正解か!? 白銀の毛並みの美しきケンタウロス娘! これだ!

「決まりました!」

「そ、そうか良かったな」

 馬の形をした青緑色のスライムが、一気に白銀に染まっていく! 息を飲むほど美しい……!

「ん、あれ、ん? あれ?」

「どうした?」

「いや、女王、立てません!」

 立ち上がろうとした所で違和感が。脚が四本に増えた訳で、今自分がどの脚を動かしているのか分からなくなってしまったのだ!

「えーと? これが右前脚で、こっちが右後、違う左後脚? で、あれ、どっちが前脚だ?」

 まさに産まれたての子馬である! 何度か転びながらも、なんとか立ち上がる事に成功する俺!

「うおっ、高い」

 女体化前の俺の目線より更に高い。馬に乗った事は無いが、乗馬の目線もこんな感じなのだろうか。

 さて、ケンタウロス娘に関して、好きな部分がある。少女の身体から馬の身体へ変化する境目の辺りだ。腰の辺り、少女の肉体に徐々に馬の体毛が生えていき、そして完全に馬の身体へ変わる。

「んん、ほうほう」

 俺は前かがみになり、下腹部の辺りから馬の肋骨に当たる部分を触ってみる。良い毛並みだ。ケンタウロス娘の性器は、当然馬の身体のお尻の方にある。正面から見た時に人間の股間の位置に当たる部分、つまり馬の右前脚と左前脚の間の肋骨の部分だが、そこに性器は無い。が、上半身は人間なので、やはり、その部分が気になってしまう訳で、つまり、なんだ、ケンタウロス娘エロっ! という事だね!

「右、左、右……」

 歩いてみる俺。慣れないせいで転びそうになりながらも、順番に脚を動かす。パカラパカラと蹄の音が小気味よい。小一時間程経つと、かなりのスピードで走れるようになった。

「ふぅ、良い汗かいたー」

 白銀の毛並みの美少女ケンタウロスが汗を輝かせる図は、なんとも絵になる!

「やっぱり上手いな貴様、すぐ慣れる」

「好きこそモノノケ上手なれ、ですね!」

「そう、だな……?」

 さておき、俺は上半身をひねって馬のボディを見る。手を伸ばすが、お尻までは届かない。

「あー、やっぱり無理かー。角度的に見えないし、鏡も無いし」

「なんの話だ?」

「なっ、ななな何でも無いッスよ!」

 最後にケータイのカメラで記念撮影! ケンタウロスピース! よっしゃ全身写った!


第八話:おわり

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