第七話《産卵するモン娘と言えば? ハーピー!》
どうやら俺は下半身が人外のモンスター娘に萌えるらしく、即ち、両腕が翼である『ハーピー』に対する執着が薄い。待ってくれ、それは別に好きじゃないって訳じゃないんだ! 他のモン娘と比べてしまうと、どうしても自分の中では劣ってしまうというか……。あくまで、ランキングを作った場合一位には出来ないってだけで、ハーピーのあの羽毛のモフモフ感とか超抱きしめたい! 鳥頭だからとアホの子に描かれていたり、空を飛ぶ為に小柄でロリに設定されていたりするハーピーだが、鳥人間ならではの特徴がもう一つある。お世辞じゃなく、その点だけは他のモン娘以上に大好きなんだ!
それは『産卵』である。俺は元々『産卵が好き』という性癖を持っていた訳だが、ハーピーが卵を産む事に気づいた時は、世界が広がった気がしたね! もちろん他のモン娘にも卵を産む娘はいるだろうが、しかし『産卵するモン娘と言えば?』『ハーピー!』即答である。俺はロリコンではないが、幼い体躯のハーピーが顔を赤らめながら、息を荒げながら産卵する様子は、ふふっ、変な笑いが込み上げてきちゃった! そして俺の知るハーピー漫画では、ハーピーが産んだ卵を食べるオチが多い。俺は卵を見ると、何か変な想像しちゃう。ハーピーの卵かぁ。ちょっと食べてみたいなぁ。ハーピーちゃんが頑張って産んだ卵食べたいなぁ。あ、もちろんハーピーちゃんが『食べていいよ』って言ってくれたらね! 『食べちゃだめ』って言ってるのに食べたら可哀相だよ! 調理法はゆで卵! ってね!
◆ ◆
「ハーピーになったら、俺も産卵できる?」
「いや、まぁ、できるけど」
「よっしゃあ次はハーピーでお願いしますッ!」
相変わらずの白い部屋にて、やっと乾いた服を着た俺with女王である。ちなみに上はTシャツ一枚、下はトランクス一丁だ。次が『モードハーピー』なら、変化するのは両腕と脚、あとはお尻に尾羽根が生えるかどうかくらいなので、全裸である必要はない。服を着ているからこそのエロスというのもあるよね!
ハーピーを選んだ理由は『産卵』以外にもあって、それは身体の変化する部位があまり大きくないからだ。初っ端から体長6mのラミアに変身してしまったせいで、元に戻るのに苦労しちゃったからさー。
「『モードハーピー』への変身方法は、まぁ他のモン娘も同じなんだが、ラミアと同じくスライム状態の粘液で身体を作るんだぞ」
「なるほど、了解であります女王様! 変身! デュワッ!」
ちなみに変身前の俺は、宣言通り赤縁眼鏡っ娘である! 時間を忘れて撮影会を続けるほどに似合っていたのだが、あまり眼鏡っ娘について語るのは本筋から外れてしまうので割愛だッ!
◆ ◆
まず俺は、両の腕を大きく左右に広げた。白鳥をイメージして、翼を広げるように、だ。足のポージングもバレリーナの立ち姿を真似てビシッと決める。あの美少女フェイスを見てしまうと、どうにもポーズにこだわりたくなるのね! そして広げた両腕を翼に、ポーズを決めた両脚を鳥の脚へ変える為、半スラ状態にする。一旦両腕を胸の前で交差させ、それを開きながらスライム化、からの翼の生成である。
「んっ、ふぅ」
少し慣れてきたピリピリ感と、腕が溶けるむずかゆい感覚。麻痺した指が引っ張られ、翼に変化していく。血液が流れこみ、その翼が自分の物になる。スライム化から戻ると、実に美しい翼が完成した。髪と同じ白銀の羽根の生えそろった、ふかふかの両翼にうっとりする俺。両翼を広げた長さは3〜4mくらいだろうか。続けて両脚もスライム化させるが、重さに堪え切れず脚の形が維持できなかった。
「わっ、ひゃうん」
バランスを崩して尻餅をついてしまう俺。女王は完全なスライム娘でも普通に歩いてたんだけどなぁ。膝から先が溶けた両脚を上げると、ネバネバした粘液が垂れる。足をめちゃくちゃにくすぐる感覚に堪え、鳥の脚を形作る。
「あっ、うっ、はぁ」
ズルズルとジェルが集まり、鋭いかぎ爪が完成する。スライム化を解くと膝から先が黄色い鳥のモノになった。関節が違うのが変な感じだ。ともあれ、これでハーピーの出来上がりだね!
「女王、どうすれば飛べますか!」
「うむ、大きく羽ばたけ!」
「それだけですか!」
「それだけだぞ!」
俺、飛翔ッ!
◆ ◆
飛べた! けど超疲れる! しかも白い部屋の中だから景色も何もない! 微妙に狭いし! 本格的な飛行は外に出てからにしよう、うん。
「それではメインイベントに移りましょう女王様!」
「飛ぶのがメインじゃないんだな」
「産卵及び卵の試食がメインであります!」
「そう……」
毎度毎度ドン引きの女王である。
産卵に備えてトランクスを脱ごうとする俺だが、腕は翼で足は爪なので断念する。まぁ、角度的に見えないだろうし、まぁ仕方ないか。
「まずは座るんだぞ。そしたら脚を左右に広げる」
「はい!」
肘をつき翼が邪魔にならないように座り、開脚する。
「次に、お腹の中に神経を集中する。おへその下辺りに、硬い物、丸い物が入ってるのを想像する」
「硬くて丸くて、つるつるで、白くて……んっ」
早速下腹部に違和感。卵が出来たのだろうか? 触って確かめたいが、翼の腕じゃ無理じゃん! そうだ!
「んぅ、ふぁ」
違和感の辺りに集中し一部分だけ半スラ状態に変化させると、透けた腹の中が見えた。
「わぁ、すごぃ」
確かに自分の胎内に卵が入っている。モン娘の神秘である。この卵が今から出てくるのかぁ。うへへぇ。
「なるほど、考えたな貴様。我もこの光景は初めて見た」
「はぁ、はぁ、お褒めに、あずかり、光栄でしゅ」
半スラをやめ、再び産卵に戻る俺。
「続きだぞ。あとは、この卵を押し出すだけだな」
「押し出す、だけ」
使った事のない筋肉をなんとか動かし、産卵を試みる俺。
「んぁ、ふ、ん、あぅ」
なんだっけ、こういう時の何とか法みたいなやつ!
「ひっ、ひっ、ふぅー、ひっ、ひっ、あっ」
試行錯誤の末、痛みを伴って下腹部が広げられるような感触があった。そしてついに、トランクスの中に産み落とされた、卵の温かさが伝わってくる。
「はぁ、はぁ、産まれた……?」
初めての産卵に、不思議な感動……! 食べるのもったいない……!
◆ ◆
「ゆで卵が、出来ない……!?」
「調理する機具がないからな」
確かにこの部屋には何も無いし、俺の鞄の中にも料理に使える道具は入っていない。万事休すである……!
無事産卵を終えた俺は、卵を割らないようにゆっくりとハーピーから元に戻る。思った通りラミア化の時のような事態にはならなかったが、それでも敏感になった両手足への衝撃は、何とも言えない感じに、アレだった!
「生卵か、それとも後で改めて茹でるか……!」
赤縁眼鏡の真ん中に人差し指を当て、真剣に悩む俺。
「……ほら、後でまた産めば良いんじゃないか? そんなに悩まなくても……」
「そう、かな」
自分が産んだ卵に愛着がわき、粗末には扱えない気持ちの俺だった。ふと、俺は気づく。
「あれ、そういえば俺、お腹空いてない……?」
この『箱』に入ってから十時間程経つが、全く空腹状態にならない。
「そりゃ貴様、我は超高エネルギー体だからな。食事も睡眠も必要ない」
「何か便利な設定出た!」
卵は生で美味しく頂きました!
第七話:おわり