第四話《俺はラミアっ娘のイメージ通りの立ち姿を完成させた! 上半身から腰のくびれそしてお尻から下半身へかけての曲線(略)》
『ラミア』という名前を聞いて、ピンと来ない人もいるだろう。『ラミア』あるいは『ナーガ』とも呼ばれる、上半身が人間で下半身が蛇のモンスター……モンスター娘である!
前にも話したが、ラミアを始めとする爬虫類系のモン娘は、女の子の柔らかな肉体に爬虫類の鱗という組み合わせが素晴らしい。蛇の身体の、あのヌルヌルと言うかスベスベと言うか、あの鱗の感じが『女の子の身体の一部』であるという事実、それが、もう、色っぽい! 腰やお尻の辺りから徐々に人外へと変化していく境目の、なんと美しい事か! 登場する作品にもよるだろうが、蛇と同じ、長くて先が分かれた形の舌を持つラミアもいて、それもまたセクシーだよね!
某モン娘漫画からの情報だが、蛇の交尾は雄と雌が長い身体を巻き付けあって行うのだそうで、また時間も長いらしい。想像してみよう、美少女ラミアに巻き付かれて、そして……蛇の身体って、なんかひんやりしてて気持ち良さそう! そしてもう一つ、これも某モン娘漫画からの情報になってしまうが、ラミアの性器の位置の話だ。ラミアの性器は、まず人間と同じ位置のパターンがある。普通にエロい。丁度、人間と蛇の境目にあるのがまたエロい。もう一つのパターンは、蛇と同じ位置にある場合だ。蛇の性器は、もう少し尻尾の先に近い辺りにあるらしい。蛇に近いタイプのラミアは、何だかより獣チックと言うか、野生的な感じで、うへぇ興奮してきた!
あとはアレね、蛇ってクネクネしてるから、その流れで腰のくびれが綺麗だったりね! あとは下半身の長さとか! 結構長いよね! 巻き付かれたい! 美少女ラミアに巻き付かれたい! 美少女ラミアに睨まれた俺! 美少女ラミアに俺はなるッ!
◆ ◆
「どうした貴様? 身体をひねって背中を見て」
「いやー、ラミアになる前に、改めてスライム娘って良いなーって」
スライム化した事で余計な突起が無いスベスベな身体になった俺。うっすら透けた青緑のスライムの、なんと涼しげな事だろう。上半身をひねる事で、胸から腹にかけての曲線だとか、背骨(スライムだから無いけど)のアーチだとか、もはや芸術である!
「って考えてました女王様!」
「変態! うわー我、何でこんな奴と融合しちゃったんだろう……分離さえ出来れば……!」
「あ、分離できないんだ」
割と衝撃の事実じゃね? 正直な感想は『モン娘になれて嬉しい気持ち>>>>>>>>>>>>>>>>元に戻れないかもしれないショック』なので問題ないな!
「分離に関しては、まぁ後でどうにかするとして、貴様ラミアに変身するんじゃなかったのか?」
「やり方を! 早くやり方プリーズ!」
忘れるはずがない! ただ同時にスライム娘の事を考えていたに過ぎない!
「……うむ、まずは座ろう。脚が蛇になるのだから、立ったままだと転んじゃうからな」
「はい女王!」
「そうしたら、両脚をくっつけて上げる」
スライム状態で座ったので、ほどよい軟らかさのお尻が上手く平らになってバランスが超良かった。
「イメージするんだぞ。両脚から粘液を出すような、両脚だけジェル状になるような感じだ」
「脚だけ、スライム」
さっき全身スライム化した時と同じピリピリとした感覚が、つま先から上って来る。それが腰の辺りまで来た所で、上手い事止める。
「んっ、はぅ」
下半身がジンジンする。脚だけ完全なスライム化に成功したようだ。試しに脚を開いてみると、ネバーっと糸を引いて形が崩れた。
「次は、このジェル化した脚と粘液を、グーンと伸ばすようなイメージだ」
「なる、ほど、スライムの、身体を伸ば、伸ばして、ラミアの下半身を、作るんです、ね?」
息を切らして、途切れ途切れに受け答え俺。慣れているのか、それともこの感覚はリンクしていないのか、女王は普通に喋っていた。
「それじゃ、やってみるんだぞ!」
「はいぃ!」
変身! ラミア! カモーン!
◆ ◆
長時間正座をした時のような、脚が痺れて感覚が無くなった状態。そんな状態の脚をグーンと引っ張られるような、そんな感じだった。溶けた両脚が混ざり合い伸びて行く、不思議な光景。伸びた脚、いや、それはもはや尻尾と呼ぶべきだろう。伸びた尻尾に、血液が流れこむ。感覚の無かった尻尾が、徐々に自分の身体の一部として馴染んでいく。尻尾が伸びきり、そして血液も先端まで届ききると、尻尾の長さは身長の4倍ほどに達した。女体化した俺の身長が150〜160cmくらいだとして、だいたい6mくらいだろうか。
「はぁ、はぁ、うぁ、何だか、脱皮した後の、蛇みたいで、綺麗」
ぷにぷにした下半身を見た素直な感想である。
「下半身が完成したら、そのままスライム化を解くんだぞ。そうすれば『モードラミア』の完全体だ」
言われるままに、スライム化を解除する俺。尻尾の先から順に、半透明だった蛇の身体が濃い緑色に変わっていく。腹の側は黄色だ。
「あっ、あぅ、うぁぁ」
下半身の感覚が、半スラ状態だった時以上に敏感になる。6m程ある尻尾が全て自分の身体なのだ。床に触れている6m全てに神経が通っている訳で、足の裏をくすぐられるような感覚が6m分……うわ、ヤバイ、むずかゆい、気持ちいい? うわ、何か初めての感じ! 上半身もスライム化から戻ったので、とりあえず慣れるまで、手の届く位置を触ってみようと思います! うぉう、鱗! つるつるの鱗! ちょっと硬い! だんだん慣れてきたので尻尾の先を動かしてみよう! 足の指先を動かすようなイメージ! 感覚は遠いけど、上手く動かせた!
「ちょっと、立ち上がって、みます」
膝立ちになる要領で上半身を起こしてみるが、バランスが難しく転んでしまう……。
「それじゃ、次は歩いて、違うか、這ってみます」
今度は、蛇が移動するイメージで身体をくねらせてみる。
「わっ、ひゃうっ!?」
なんか色んな所が擦れて、なんか、なんか! なんか!
◆ ◆
「女王、ラミアって難しいですね!」
「しかし上手いもんだぞ、小一時間程度で、まぁ」
諦めずに練習を続けた俺は、ラミアっ娘のイメージ通りの立ち姿を完成させた! 上半身から腰のくびれ、そしてお尻から下半身へかけての曲線、更に尻尾のとぐろの巻き加減まで、まさに黄金比と言って良いバランス! プロポーション! 身体をくねらせる移動方法に関しても、美しくかつセクシーに、それでいて敏感な部分が擦れない絶妙な感じを実現させた!
「さて、次はスライム娘をリベンジするか、それともケンタウロス、いやハーピーか」
「え!? もう次の変身なのか!?」
「はっ! そうだよ女王様! 危ない所だった!」
「そうそう、我の目的をだな」
俺は、最初にキメラ幼女王に襲われて以来放置してあった自分の鞄に這い寄る。鏡は無くても、コレならあった!
「ケータイ電話のカメラ機能の存在を忘れていたぜ! これで愛しの美少女ラミア(俺)を永遠に残せるってモンよ!」
「え? 我の目的は」
「はいチーズ! ラミアピース!」
うおぉぉおお!!!!!!! ついに美少女ラミア(俺)のお顔と御対面だぜぇぇぇええ!!!!!!!! 続くッ!!!!!!!
第四話:おわり