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第二話《スライム化から戻った俺の出した結論それはスライム娘エロっ!》

「んっ、あぅ、ちょっと、どこ舐めて、うぁ」

 ひとしきり興奮して、一旦冷静になった後、再びテンションが上がってきた俺だ! とりあえず学校とか明日とかどうでもいいじゃん? というスタンスで行こうと思う。今を全力で生きろ!

 それで現在、俺は上半身裸だ。自分の身体を確認するために脱いだのだから、これはもう仕方がない。うっすら透けた、綺麗なスライム娘の身体である。美しい。中の骨とか内臓とか、そういうのちょっと分かんない。ちなみに色だが、スライム幼女と同じく青緑色という、スタンダードな感じだ。

 さすがスライム娘、普通の人間以上に柔らかく弾力のある肉体だった。サイズとかよく分からないけど、町で見かけたら『あ、おっきい』と思う程度にはある。何がって? お、おっぱいの話に決まってるでしょ恥ずかしい!

 右腕を上げ、二の腕の辺りを舐めてみる。固めのゼリーみたいな舌触りだ! スライム味! スライム味!

「だ、だから貴様、変な、んっ、所を」

 一応断っておくと、喘いでいるの俺じゃなくて、融合している『百獣の女王』だ。身体は動かせないのに、感覚はリンクしてるらしい。誤解しないでほしいが、俺は自分の身体を舐めているだけなんだからねっ!

「あれ、髪の毛はスライムじゃない」

 視界の端に綺麗な白い髪が映り、気づく。スライム娘といえば、髪から何からジェル状だろう! いや、こういうのもアリか……? 新たな萌えに目覚めかけた所で、女王が言う。

「ああ、今は変身待機中だからな。スライム化も半端なんだぞ」

「変身待機中!? 某仮面のヒーローのベルト的なアレか!」

 別なベクトルでテンション上がるぞ俺! いやしかし、仮面のヒーロー番組に登場する怪人もある意味モンスター娘と言える訳で、実は大好きだったりするのだけれど!

「ヒーローとか知らんけど……。心の奥で念じてみるが良い。モードスライムの完全体になれるだろう!」

「変身ッ! スライム! ソイヤッ!」

 そんな話を聞いちゃあ躊躇う事なくやるっきゃない!


◆   ◆


 両の手足の先がピリピリする感覚。その感覚が腕と脚をの登り、胴体と頭にまで到達する。

「あっ、あぅ」

 漏れた声は、女王のものか、それとも俺か。身体の内側がむずむずしてくる。冷や汗が背中をつたう。それを皮切りに、全身から汗が吹き出した。いや違う、それは汗ではなく、ジェル状の粘液だった。

「はぁ、あ、はぅ」

 息が荒くなるが、喉の奥に何かが絡む。いつの間にか床にへたり込んでいた俺は、ガクガクと震える自分の手を見る。見ると、さっきまでの『うっすら透けている』というレベルじゃなく、完全に、向こう側が見えるくらいに透けている。手を握り、開く。泥か何かを掴んだような感触。身体のむずむずがより強くなり、苦痛とも快感とも分からなくなる。腕を腹の前で交差し、俺は自分の胴体をぎゅっと抱きしめるようにして、それを堪えようとした。

「うわっ、あっ、んぅぁ」

 腕が身体と一体化し、めり込んでしまった。胴体との境が無くなった腕を引き抜くと、ドロリと粘液が糸を引いた。手の形はもはや確認できない。立ち上がろうとするが、やはり脚も形を維持出来ず、立つ前に崩れ落ちてしまった。胴体をねじって、手を背中や太ももに回し、自分の身体を掻きむしるような動きをする。が、溶けたジェル状の肉体が床に垂れ落ちるだけであった。

「はぁ、あぁ、あん、はぁ」

 俺は自分自身を抱きしめるポーズで動きを止め、呼吸が整うのをじっと待つ。真っ白な広い部屋には、ただスライム娘の喘ぐ声だけが響いていた−−。


挿絵(By みてみん)


◆   ◆


「もう一回!」

「気持ち悪っ! 変態だ変態! いや我、ずっと黙ってたけどマジで引くわー」

 スライム化から戻った俺の出した結論、それは。

「スライム娘エロっ!」

 『百獣の女王』とかいう得体の知れない奴なんてもうどうでもいい! 学校? 明日? 何それ? 俺スライム娘だけど?

「おい貴様、我の目的を手伝ってくれるんだよな!? 不安と不安と、あと不安しかないんだけど!?」

「もう女王〜、それ不安しかないじゃ〜ん」

「……もういい、せっかくモードスライム以外への変身方法を教えようと思ごめんなさい! 女王様の目的を教えて下さい!」

 女王の台詞を遮り平謝り俺! そうだよ『百獣の女王』というか『百獣の幼女王』はキメラ幼女だったじゃないか! そしてあらゆる魔物・人外のチカラを云々って言ってたじゃないか!? つまり何か!? スライム娘に飽き足らず、あんな姿やこんな姿にうっひょぉぉおおお!!!!!!!

「うへぇ」

「気持ち悪っ!」

 一応断っておくと、もし仮に誰かがこの一部始終を目撃していたとしたら、それは白い髪の美少女(仮)が独り言を呟いている図になるのだ。それを忘れちゃいけない。可愛らしい声の美少女(仮)なんだ、これは。そう考えれば全然大丈夫だろう? 大丈夫、大丈夫なんだ。

「女王様! 次はラミアが良いです!」

「まずは我の話を聞け!」

 次回、ついに『百獣の女王』の目的発覚か!?


第二話:おわり

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