表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/24

第一話《スライム幼女に襲われた俺は女体化どころかモンスター娘化していました!》

 『スライム』といえば、国民的RPGに登場する最もポピュラーな青いモンスターを想像する人が大多数であろう。あるいは、昔流行ったジェル状の玩具をイメージする人も少なくないかもしれない。もちろん俺だって、ゲームや玩具の『スライム』を思い浮かべる事もある。時と場合、5W1Hってやつだ。ただ、『スライム娘』を妄想する機会の方が圧倒的に多いってだけの話さ!

 スライム娘、つまり、少女の形をしたスライムである! 赤、青、緑……色とりどりのスケルトンボディを持つスライム娘。身体を粘液で覆われた魚介系モン娘と違い、自身がヌルヌルのジェル状なのがスライム娘最大の魅力だ。他の多くのモン娘は、実在する生物と人間を合体させた形状をしているが、しかしスライム娘は何かもうよく分かんないけどエロい。全裸で描かれる事が多く、手足が溶けた状態なのもまた良い、エロい。中が見えてるのが最高にエロい。知能が低く設定される事もあるようだが、俺は賢いスライム娘も大好きだよ!

 そんなスライム娘に関して、俺には夢がある。スライム娘に抱き着かれ、そのままじわじわと溶かされて、一体化しながら吸収されたい。スライム娘と融合したい。スライム娘と一つになりたい! うわぁぁあああ!!!!!!!


◆   ◆


「女王様のお陰で夢が叶ったよ!」

「うっわ、変態じゃん。気持ち悪っ」

 自分にキモがられた。いや違う、声を発したのは俺の声帯だが、喋ったのは『百獣の女王』を名乗るキメラ幼女だ。キメラ幼女というか、スライム幼女というか、いやもう、それってスライム娘じゃね?

「スライム娘だよね?」

「知るか! でもまぁ、拒絶されるよりかは都合が良い」

 口調は違うけど声は同じで、両方とも俺の口が喋った声。しかもその声は俺の声ではない女の人の声で、それでえーと、ややこしい! つまり身体だけじゃなくて声帯も女体化してるって事だよね! やった! カラオケ行きたい!

「ホント、見事に女体化してるな……うへぇドキドキしてきた」

 改めて自分の身体を見てみる。鏡が無いので顔までは分からないが、身体は完全に女性のモノである。年齢は俺と同じくらいだろうか。髪は肩まで伸びていて、それは銀に近い綺麗な白髪だった。勝手に喋る口と、白い髪……にわかには信じ難いが、やはりあのキメラ幼女改めスライム幼女に襲われ、身体を作り替えられてしまったようだ。やった!

「ん、なんだかヌルヌルする」

 自分の身体を撫で回していて気づく。

「あぁ、スライムだからな」

「スライム娘って良いよなぁ」

「今は貴様自身がスライム娘?なんだぞ」

「うわぁ素敵……え?」

 思い切って上着を脱ぎ捨てる俺! 透けてる俺! 透けるトン俺! スライム幼女に襲われた俺は、女体化どころかモンスター娘化していました!


挿絵(By みてみん)


◆   ◆


「お前一体何者!? 神!? 神なの!? え? 夢じゃね? これ高確率で夢じゃね? 明晰夢! 明晰夢バンザイ!」

 ハイテンションが有頂天! ハイテンションが有頂天!

「とりあえず黙れ貴様! 改めて自己紹介してやる! 我は『百獣の女王』なるぞ! 我はあらゆる魔物・人外のチカラを持つ最強で絶対の存在である! 以上!」

「なるほど中二病か!」

「ちゅう、に……? よく分からんが、病なのは貴様の頭だろうが!」

 さて、ひとしきり興奮した所で、改めて状況を整理しないと駄目だなーと思いました。


◆   ◆


 俺はモンスター娘が大好きな学生(男)だ! モン娘ハーレムに憧れ、憧れ尽くした結果、自分自身がモンスター娘になりたいと思うようになっちまったぞ!

 そんな俺はある日、不思議な白くて巨大な『箱』を見つける! UFOか何かかと期待して調べてみると、なんと入口発見! ワクワクしながら侵入すると、なんとそこにはキメラっぽい幼女がいたんだ!

 『百獣の女王』を名乗る幼女はスライム娘に変身して、俺を食っちまいやがった! 念願の『スライム娘に捕食される』が叶ったと思いきや、何と俺はキメラ幼女と融合して女体化していた!?

 あらゆる魔物のチカラを持つと言うキメラ幼女のお陰で、俺は女体化どころかモンスター娘化していたよっしゃぁああああ!!!!!!!!!


◆   ◆


「これはひどい」

 改めて状況を振り返った結果、なんか変な感じになった。躁鬱状態である。

「うん、嬉しいんだけどさ、いや、おかしいだろ。モン娘とか実在しねぇよ。女体化とか明日から俺どうするんだよ。嬉しいけど」

 白い部屋の隅で体育座りの俺。そういえば、女王様が黙ったままなんだけど。

「女王様?」

「あぁ、うん」

「どしたの?」

「我さ、貴様の身体を使うとか言ったじゃん?」

「うん」

「何か口しか動かせないっぽい」

「マジか」

「お願いがあるんだけど」

「なに?」

「我の代わりに、貴様が我の目的を果たしてくれない?」

「いいよ」

「ありがと」

 こうして、何かよく分からないまま、二人の共同生活が始まるっぽい! 続く!


第一話:おわり

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ