障害と棘と脳
道を進んでいた。
道を塞ぐように、意図的に置かれた障害があった。
「これを乗り越えて強くなってね。」とでも僕に言い聞かせるようだった。
その障害は簡単に壊せるほどのものだった。
だけど僕はそれを面倒だと言って別の道を探し始めた。
しばらく僕は別の道を探していたけど、他に道はなく、仕方なく障害を壊して元の道をすすんだ。
また目の前に障害があった。
僕は壊さずに障害をよじ登ってそれを越えた。
案外簡単だった。
また目の前に障害があった。
僕はそれをよじ登った。
よじ登っている時、障害が「壊さないと意味がないんだよ。」と騙りかけているように感じた。
障害が自らの形を変えて棘を僕に刺してきた。
その棘は僕の脳を少し弄った。そこに痛みはそこまでなかった。
また目の前に障害があった。
僕はそれをよじ登ることしか考えられなくなっていた。
あの棘の所為だと思い込んだ。
またよじ登った。
道を進んでいた時、僕は歩きづらくなってきたことに気が付いた。
また目の前には障害があるんだろう。
また壊さないといけないんだろう。
またよじ登るんだろう。
また逃げるんだろ。
また棘がある。
いやだ。
また。
思考がだんだん早くなっていく。
それに伴って頭痛がしてきた。だんだん激しくなっていく。
次第に頭蓋を破壊されているかのような痛みに変わった。
僕の頭は、脳は、もう腐っているんだろうと思った。
「もう僕の脳は使い物にならない」
呟いて。
手に取って。
首に当てて。
さようなら。




