数じゃなくて、つながり
リナは毎日スマホをのぞき込んでいた。
友達の投稿にはたくさん「いいね」がついているのに、自分の投稿にはほとんど何もつかない。
「やっぱり、私って評価されてないのかな…」
そんなある日、リナは絵を描いている教室で、クラスメイトのユウに声をかけられた。
「リナ、この絵すごくいいね。色の使い方、面白い!」
リナは驚いた。数字じゃなくても、心から褒めてくれる人がいた。
「ありがとう…ユウ、見てくれて嬉しい」
それからリナは、自分の投稿を「いいね」のためにするのをやめた。
絵を描くのは、自分が楽しいから。友達と笑い合うのは、心が温かくなるから。
ある日、休み時間に教室でみんなの前にリナの絵が並んだ。
「リナ、一緒に描こうよ!」と、何人かが手を差し伸べてくれた。
数字の評価はつかない。でも、笑い声と手のぬくもりが、リナにとっての本当の「いいね」になった。
リナは気づいた。友情は評価じゃない。心でつながった人の存在こそ、孤立しないための本当の支えになるんだ、と。