第七章 落城の約定(一)
"雲上絶域城 夜半
闇夜を、2騎の白馬が駆け抜けていく。騎乗の男は、がむしゃらに鞭を振るい、眼前に検問を敷く教会軍など、歯牙にもかけぬ勢いで、石畳の道の先にある、壮麗な大殿――狐族の祖廟へと、一直線に向かう。
夜警の十字軍兵士が行く手を阻もうとしたが、隣にいた仲間に、ぐい、と腕を引かれた。すれ違いざま、男が纏う外套に、金色の紋章が見えたからだ。ハイランド王家の、シンボル。
祖廟の前で、2人は馬を止める。男は、馬から飛び降りるなり、同行の副官に、ぼやき始めた。
「ったく、魔王を捕らえてからこっち、この2日、ろくに眠れやしない!」
「殿下、どうか、今しばらくのご辛抱を」
若い副官も、見るからに疲労困憊といった様子だ。知らせを受けるや否や、食事もそこそこに、エドワードのもとへ駆けつけたのだから。
「で、一体、何があったってんだ? 教会に、こんな夜更けに呼び出されるなんて。また、あのヤマアラシが、何かやらかしたのか? 奴なら、とっくに国へ引き揚げたはずだろ?」
副官が、声を潜めて報告する。
「ロートベル軍が、霊峰より30キロの地点で、カイルモハンの騎兵隊に追いつかれました。ダークエルフの夜襲を受け、野営地にいた者は、ほぼ皆殺しにされた、とのことです。混乱に乗じて逃げ延びたのは、ごく少数。その中に、我らが潜入させていた間者がおり、先ほど、烈箭隼によって、この知らせがもたらされました」
エドワードは、初めて、愕然とした表情を見せた。
「闇霊騎士団が、渡河した、だと? なぜ、前線部隊から報告が上がってこない? ベータウィスは? 奴もやられたのか?」
「ベータウィス将軍は、近衛兵を率いて抵抗しましたが、乱戦の中、討ち死にされたと」
副官は、静かに続ける。
「敵は、少数の軽装部隊のみを渡河させたものと思われます。闇霊騎士団の本隊は、依然、南岸に。ゆえに、前線の斥候が、察知できなかったのかと」
エドワードは、しばし沈黙し、大殿の前で自分を待っている神官長ヨシュアに目をやる。
「分かった。残りは後だ。まずは、中の様子を見てこよう」
・
**祖廟 正殿**
相も変わらず、黒木の椅子が6脚。顔ぶれも、見慣れた各国の将軍たち。だが、誰もが、その空席を目にした瞬間、心臓を、きゅっ、と掴まれるような、背筋に氷の針を突き立てられたかのような、悪寒を覚えずにはいられなかった。この、わずか2日の間に、連合軍は、遠征開始以来、最大級の打撃を、立て続けに受けていたのだ。
厳粛な面持ちの老人が、上座に、どっしりと腰を下ろし、その背後には、銀の甲冑と佩剣姿の少年が、静かに控えている。
レスリーが、疲れた目を開けると、神官長が、心得たように、気を静める茶を差し出した。
「皆には、何が起こったか、すでに伝わっていることと思う」
老人は、熱い茶を一口、啜ったが、その声には、冷たいものが混じっていた。
「先刻、ロートベル軍が、帰国の途上、何者かに襲われ全滅した」
ラガットのブルータス公爵と、ローランスの将軍が、ぎょっ、とした顔をする。エドワードも、驚いたふりをしながら、次席に座る、無表情なフレティア帝国のアレクサンダー公爵を、ちらり、と盗み見た。
中年の男も、彼に視線を返し、眉を、ぴくり、と動かす。
「エドワード殿下は、さほど、驚かれておらぬご様子。もしや、この件、すでにご存知で?」
――どの口が言うんだ、このタヌキ親父が。
自分に一斉に視線が集まる。エドワードは、内心で毒づきながらも、顔色一つ変えない。
「アレクサンダー殿下こそ、驚かれていないようですな。ロートベルと貴国は、かねてより、浅からぬご関係と聞き及んでおりますが。もしや、殿下には、すでに、下手人の心当たりが?」
フレティア帝国とロートベルは、北方の交易問題を巡り、長年、小競り合いを繰り返してきた。ベータウィスが、戦の最中に、撤退を余儀なくされた内乱の火種も、それが原因だ。エドワードの、この言い草は、まるで、今回の件の責任を、帝国に擦り付けようとしているかのようだ。
中年の男は、ふん、と鼻で笑っただけで、何も答えない。
「詮索は、そこまでだ。ロートベル軍を襲撃したのは、カイルモハン。奴は、わざと数名の生き残りを逃がし、我々に知らせを届けさせたのだ」
老人は、ゆっくりと、目を上げる。その声は、枯れ枝を擦り合わせるかのよう。
「これは、示威行為だ」
「闇霊騎士団が、渡河を?」
ローランスの将軍が、驚愕の声を上げる。
「奴は、どうやって、ロートベル軍の、北への撤退を知ったのです!?」
3万を超える兵の渡河など、1日で終えられるはずもない。その上、霊峰を越え、ロートベル軍を追撃したとなれば、連合軍本隊が反応すれば、カイルモハンは挟み撃ちに遭い、自ら罠に飛び込んだも同然ではないか。
「河岸の斥候部隊より、先ほど、天眼を通じて報告が入りました。闇霊騎士団の本隊に、動きはありません。渡河したのは、3000に満たない、少数の部隊かと」
神官長が、低い声で答える。
「つまり、敵は、ロートベル軍が、単独で北へ撤退するのを知っていた。だからこそ、これだけの兵力しか率いてこなかったわけだ。ロートベル国内の動乱、そして、ベータウィス将軍の撤退。俺がそれを知らされたのも、今朝のこと。諸侯方も、同様でしょう。カイルモハンが、即座に軍を動かしたとしても、少なくとも、昼前には情報を得ていたことになる」
エドワードは、苦笑いを浮かべる。
「やれやれ、敵の間者は、我々よりも、よほど耳が早いようですな」
「殿下は、ロートベル軍の中に、内通者がいたと?」
老人が、眉をひそめる。
「証拠は?」
「あくまで、推測に過ぎませんよ」
エドワードは、かぶりを振る。
「では、カイルモハンの部隊は、今、どこに?」
外套の下から、寝間着を覗かせたブルータス公爵が、怪訝そうに尋ねる。
「さあ? すでに、渡河して、陣営に戻ったか。あるいは、まだ、霊峰の麓をうろつき、次の獲物を物色しているのかもな」
エドワードは、にやり、と笑う。
「そ、それは、どうしたものか……」
公爵は、困り果てた顔だ。
「ベータウィスは、烏合の衆。カイルモハンに敗れたのも、不意を突かれ、備えがなかったからに過ぎん」
帝国公爵が、眉を吊り上げる。
「現在、城内には、少なくとも6万の兵がいる。カイルモハンの2倍だ。奴が、このまま南岸に留まり、挑発を続けるつもりなら、自ら死地に飛び込むようなもの!」
「兵は詭道なり、ですな。明日は、寒霜騎士団と十字近衛軍を、共に出立させ、ロートベルの野営地に、生存者がいないか、確認させるのがよろしいかと」
老人が、腰を上げかけた、その時、一人の十字軍近衛兵が、血相を変えて、大庁に駆け込んできた。そして、その場に、がばっ、と跪く。
「大主教様、一大事にございます!」
兵士の声は、震えていた。
「何事だ。落ち着いて話せ」
老人は、再び茶杯を手に取り、冷静に促す。
「ま、魔族が、城攻めを!」
・
雲上絶域城は、築城当初より、大陸で一般的な石造りの城壁ではなく、霊峰を背にし、巨大な御神木で柵を築き、その間を漆喰と砕石で埋めるという、独自の構造を採っている。最終的に完成した外壁は、高さ15メートル、全長6キロメートルを超える、巨大なものとなった。
連合軍の将軍たちが、外壁の塔楼に登ると、一隊の、人目を引く黒甲の騎士たちが、松明を掲げ、城外に立っているのが見えた。彼らは、整然と半円を描き、その中央に、一際、巨大な角竜馬を護るように配置している。
ローランスの将軍が、目測で距離を測り、首を横に振る。
「500メートル以上、離れている。魔法を付与した弓矢でも、夜間では、命中させるのは困難でしょうな」
「奴ら、何をしに来たんだ?」
ブルータス公爵は、ふぁ、と一つ、欠伸をしながら、訝しげに言う。
「まさか、これっぽっちの人数で、城攻めでもするつもりか?」
エドワードは、副官から遠眼鏡を受け取ると、それを覗き込み、眉を、ぎゅっ、と顰め、そして、ふっ、と苦笑を漏らした。
帝国公爵と呼ばれた中年の男が、不快そうに、眉を、ぴくり、とさせる。
「あいつ……夜食を、焼いてる?」
エドワードは、遠眼鏡を下ろし、一言一句、区切るように言った。神官長が、心得たとばかりに、軍用の遠眼鏡を数個、持ってきて、その場の4人と、ユアンに、それぞれ手渡す。
狭いレンズの先に、映し出されたのは、騎士たちに護られた角竜馬の傍らで、髪を振り乱した男が、焚火の火で、魚を焼いている姿。男の傍らには、酒袋が置かれ、火にかけた魚を、注意深く弄りながら、強い酒を呷っている。その表情は、至って、平然としたものだ。
間違いなく、カイルモハン。
「挑発だ!」
帝国公爵の目元が、ひくひく、と引きつる。
エドワードは、この公爵が、先ほど、「城内には6万の兵、敵の2倍。奴が、このまま南岸に留まり、挑発を続けるつもりなら、自ら死地に飛び込むようなもの!」と、断言していたのを思い出し、なんとも、滑稽な気分になる。
「私にお任せを! 部隊を率い、カイルモハンを生け捕りにしてご覧に入れます!」
ローランスの将校の一人が、片膝をつき、名乗りを上げた。
「見たところ、敵は、20騎ほど……」
ローランスの将軍も、乗り気のようだ。
「失礼ですが、閣下は、どれほどの兵を率いて出陣されるおつもりで?」
エドワードは、逸るローランスの将校を見て、にこり、と笑う。
「精鋭騎兵、300もあれば!」
「ロートベルを襲撃した騎兵は、少なくとも1000。カイルモハンが、その半数を、城外に伏せていたとすれば、300では、歯が立ちますまい」
エドワードが、指摘する。
ローランスの将軍は、ばつの悪そうな顔をした。
「ならば、風華騎士団、全軍で出撃する。エドワード殿下、これならば、いかがかな」
「将軍、ご決断、お見事です。ただ、1000人規模の兵を動かすとなると、一朝一夕には……」
エドワードは、両手を広げ、相変わらずの、気だるげな笑みを浮かべている。
「敵は、わずか20騎。林の中にでも逃げ込まれたら、この暗闇では、1万の兵を繰り出したところで、無駄足というものでしょう」
「もう、よい」
老人が、ゆっくりと、首を横に振った。
「カイルモハンは、愚か者ではない。それに、ダークエルフは、夜戦を得意とする。敵に、備えがある以上、無闇に城を出るのは、死にに行くようなものだ」
「では……奴らが、城下で、夜食を楽しむのを、黙って見ていろと?」
ブルータス公爵が、苦笑する。
その時、帝国公爵が、老人の背後に立つユアンに、視線を向けた。エドワードの目も、それと気づかれぬよう、先ほどから、一言も発しない、銀甲の少年に、注がれていた。
「そうだ!」
あの、金持ち然とした、恰幅の良い公爵が、ぱっ、と嬉しそうな顔をする。
「我々には、ユアン殿下がおられるではないか! これまで、カイルモハンの所在が掴めなかったからこそ、あの、忌々しいダークエルフどもを、野放しにしてきたのであろう? 今、敵が、自ら死にに来たというのに、なぜ、ユアン殿下にご出馬願わぬ? この、積年の禍根を断つ、絶好の機会ではないか!」
沈黙を守っていた少年が、ついに、顔を上げた。目の前で、背を向けたまま、何も言わない老人を見つめ、一瞬、ためらい、そして、低い声で、呼びかける。
「先生……」
老人は、振り返らない。少年は、何かを言おうと口を開きかけたが、結局、何も言えなかった。
二人は、ただ、黙り込んだまま。塔楼の上は、しん、と静まり返り、息苦しいほどだ。各国の将軍たちは、怪訝そうに、その様子を見守っているが、誰も、その沈黙を破ろうとはしない。
エドワードは、恰幅の良いブルータス公爵が、さらに何か言いかけるのを見て取り、慌てて目配せし、首を横に振って制した。
確かに、カイルモハンを討つ、またとない好機だ。だが、こんなこと、戦の素人同然の公爵でさえ思いつくのだ。カイルモハン自身が、考慮していないはずがない。何か、裏があるに違いない。それに、勇者は、あくまで、教会の人間。レスリーが口を開かない限り、誰も、口出しはできないのだ。
「言いたいことは、分かっている、ユアン」
老人は、城下の夜景を、遥か彼方に見据えながら、ようやく、口を開いた。
老人は、傍らの侍従長の腰から、佩剣を、するり、と抜き放つと、それを、放り投げた。
ユアンは、虚を突かれたように、その柄を受け止める。
神官長が、心得顔で、もう一振りの長剣を差し出す。老人は、それを、両手で、ぐっ、と握りしめ、剣を構えた。
「来い。師として、お前の今の力量を、見定めさせてもらおう」
老人は、低い声で言った。
その目尻に刻まれた、年月の皺が、鋭い線を描く。老人は、もはや、若くはない。だが、この瞬間の、その威圧感は、まるで、全盛期の獅子。威厳に満ち、冷徹で、逆らうことを許さない。
ユアンは、ふぅ、と息を吸い込み、頭を下げ、礼をとる。
「――謹んで、お受けいたします」
なんだ、これは? 事情を知らない連合軍の将軍たちは、突然、剣を抜き、対峙する師弟の姿に、唖然とさせられた。
一閃。剣光が、空気を切り裂き、雷鳴の如く、迸る。周囲にいた者たちは、思わず、全身を震わせ、後ずさった。その剣風だけで、顔を切り裂かれたかのような、錯覚を覚える。
少年が、咄嗟に剣を構え、受け止める。二振りの重い剣が、空中で、がちん、と交錯し、聞くに堪えない、金属の、軋む音を立てる。まるで、剣そのものが、衝撃で、砕け散るのではないかと、思わせるほどに。
白髪交じりの老人が、選んだのは、最も、直接的で、最も、荒々しい、攻撃だった。全身の力を、一撃に込め、振り下ろす。それは、まさに、天から降り注ぐ雷。立ちはだかる者を、ことごとく、薙ぎ払う。
中央教会の、獅心闘気。
「契約の力はどうした」
老人が、冷たく言い放つ。
「神闘気は、どうした?」
少年は、歯を食いしばり、何も言わない。その足元の床板が、凄まじい圧力に耐えかね、ミシミシ、と音を立てて、ひび割れ、足が、半分、めり込んでいる。
「15年、お前に教えてきたことが、この程度か」
老人の声には、何の感情も、籠っていなかった。
ユアンの、剣を握る両手が、がくがく、と震え出す。老人の剣を押し返そうとするが、びくともしない。相手の剣に込められた力は、自分の、数倍。少年の手首から、ミシリ、と、骨の砕けるような、乾いた音が、響く。絶え間なく加えられる力が、その体を、押し潰そうとしていた。
周囲の者たちは、この、あまりにも、異様な光景に、息を呑んだ。神にも、悪魔にも、匹敵する力を持つと言われる勇者が、一人の老人の、一撃によって、押さえ込まれているのだ。
神官長が、微かに、ため息をついた。
獅子のような力が、ふっ、と消える。老人は、剣を鞘に収め、何事もなかったかのような顔をしている。まるで、先ほどの、生死を賭けた一撃など、幻であったかのように。
彼は、冷ややかに、告げた。
「もはや、これまでだ、ユアン。お前はすでに、『道を見失っている』」
その時、少年の手にした重剣に、一本の亀裂が走った。キィン、という、蜂の羽音のような音が響き、剣身全体が、瞬く間に、砕け散り、床に、ばらばら、と散らばった。
少年は、顔面蒼白になり、俯いたまま、何も言わない。
「申し訳、ありません、先生。私の負けです」
――なんだと!?
誰もが、驚愕の表情を浮かべる。人類最強の象徴である勇者が、負けた、だと?
死のような静寂が、水のように、広がっていく。
「人の戦は、所詮、人の手によってしか、終わらせることはできぬ、か……」
老人は、佩剣を、傍らの侍従長に返す。
「これもまた、我らの『業』、というものか」
その沈黙を、一つの声が、打ち破った。まるで、眠れる巨竜が、目覚め、雄大で、荘厳な、産声を上げたかのように。
誰もが、驚き、怪訝な顔で、顔を上げる。ただ一人、老人だけが、微動だにしない。
その時、城下で、半円を描いていた騎馬隊が、潮が引くように、左右に分かれ、一本の線を描き、中央の焚火を、露わにした。馬の傍らに座っていた男が、ゆっくりと、立ち上がる。
「カイルモハンの、馬の声だ」
エドワードは、はっ、と気づき、感嘆の声を漏らす。
「万に一つの、馬王、か」
「奴、何をするつもりだ?」
溶けた鉄のように、赤熱した双眸が、ゆっくりと、こちらを見回したのを見て、誰もが、心臓を、鷲掴みにされたような、戦慄を覚える。
「もし、私の目に狂いがなければ、先ほど、闘気を放たれたのは、レスリー大主教閣下とお見受けする」
500メートルもの距離を隔てて、男の声が、朗々と響く。
「13年前、アロ城での一戦。閣下の獅心闘気、未だ、この目に焼き付いておりますぞ」
「こんな、遠く、しかも夜だというのに、奴、我々の姿が見えるのか」
遠眼鏡を覗いていたローランスの将軍が、驚愕する。
塔楼の上の老人は、身じろぎもせず、その、低く、沈んだ声が、静寂の夜空に、遠くまで、響き渡った。
「カイルモハン殿。軍を率い、ロートベルを奇襲されたとか。夜陰に乗じ、南岸へ引き返されもせず、ここに留まられるのは、この老骨に、何か、ご指南でも?」
衆人環視の中、あの、傲慢なダークエルフの聖子が、恭しく、腰を折った。
「ご指南など、滅相もございません。ただ、部下の者が、無礼を働き、閣下にご迷惑をおかけするやもと、案じましてな。一つ、お伝えしたき儀がござい、罷り越しました次第」
「何用だ?」
男が、ゆっくりと、顔を上げる。
「我ら、魔族」
赤熱した双眸に、ぎらつく殺気が、満ち溢れる。
「3日のうちに、必ずや、この城を落としてご覧に入れよう!」
誰もが、唖然とする中、男は、一礼すると、部隊を率い、踵を返し、夜の闇の中へと、消えていった。"




