『半紙と洋紙』
半紙と洋紙の間には、しばしば争いがありました。十二人の兄たちから、司令官を押しつけられた半紙の王子、半紙王子は、いつも割を食っていました。洋紙のほうが種類も多く、丈夫なので、争いは、おおむね半紙が不利でした。
半紙王子は、軍議を開きました。洋紙に勝つためには、武器や力が必要だ。そう、例えばトナカイの角とか、何でも凍らせてしまう力とか。長い軍議の結果、魔法めいた力は簡単に手に入らないので、とりあえずトナカイの角を振り回して戦うことになりました。
しかし、まあ、実力の差は、そんなものでは埋まりませんで、半紙は洋紙にこてんこてんにやられてしまいました。半紙は敗走途中、トナカイの角のせいで逃げられず、洋紙の捕虜となりました。
教訓:半紙は、弱いところが原文帳に向いているのです。