6月19日 聖淮戦(車内)
なんだろう?この不思議な時間。私は、お母さんの車に乗りながら考えていた。朝の柔らかな陽射しが窓を透過し、私の目に入ってくる。どうなるかわからないという不安と、アイツらに会わないとという義務感の両方が入り混じっていた。最初の開会式やサッカー部の試合など、どうでもよくなっている自分が不思議な感じだった。私が話さないということもありら車内はとてめ静かだった。お母さんも、何も話をしてこない。私の家から、聖徳高校までは約40分くらいかかる。まだ、20分くらいしか経っていないから、まだ半分くらいある。
窓の外には、いつも通学路の風景ない。ここら辺は、全く来ないな。窓の外をぼんやりと見つめながら、私は開会式のことを考えていた。お母さんの運転する車は、山道へと入っていく。この道を越えないと、淮南高校には着かない。ただ、この山道が嫌いな人は多い。聖徳高校の滑らかな道とは大きく異なる。お母さんの横顔は真面目な表情のようだった。"聖淮戦"の前には開会式に来たいなんてふざけたことも行っていたが、いざ当日となると、真剣そのものだった。もしかしたら、どこか緊張感を隠そうとしているのかな?そんなことを考えていた。
私 「何時に着きそう?」
お母さん「7時50分くらいじゃないかな」
ハンドルを握りながら、何かを考えている様だった。
私 「今日、電車で帰るから来なくても大丈夫だよ」
お母さん「わかった。また、何時に帰ってくるか連絡してきて」
私 「たぶん、遅くなりそうだよ」
閉会式が終わっても、生徒会の仕事が残っている。あとは、聖徳高校の生徒がどのくらい手伝ってくれるかだろうな。
私 「お母さん、今日の夜ご飯何?」
お母さん「いや、何も考えてないよ」
何も考えてないのかぁ、、、、、、、、。
私 「だったら、今日の夜ご飯準備しなくていいよ」
お母さん「なんで?」
私 「せっかくだから、聖徳高校の人たちとご飯に行こうかなと思って」
お母さん「それは、いいかもね」
意外とアッサリしていた。
私 「後悔はしたくないから」
お母さん「なんか、あるならやった方がいいよ」
私 「ありがとう。遅くならないように気をつけるよ」
本当は、心配していると思う。お母さんも。私は、遅くならないように帰ることだけが唯一できることだった。




