5月22日 五十嵐実咲
五十嵐実咲。今日は、練習がなかったので久しぶりにカフェで話をしていた。彼女は、聖徳高校の高田真波とかと中学校の時に仲良かったことを聞いていた。天真爛漫でいつも笑顔のイメージだった。彼女の近くには、土屋陽菜乃と言うとても賢い子がいた。私は、彼女のことを話したことなかった。というのも、彼女は、あまりいい評判を聞かなかったからだ。
私 「実咲、元気してる?」
五十嵐「うん。南朋は?」
実咲は、カフェラテを飲みながら、何かを考えているように見えた。
私 「私は、忙しいよ」
五十嵐「もうすぐだよね?聖淮戦」
"聖淮戦"もある。けど、やるのは私ではない。
私 「そうなんだよ。みんなはりきってるよ」
五十嵐「いいじゃない」
私 「まぁね」
正直、今年のサッカー部はかなり強いと思っていた。いくら、凄い選手がいる聖徳高校でも今年は勝てる。
五十嵐「生徒会は?」
私 「忙しいよ。みんな手伝ってくれてるけど、なかなか終わらないよ」
たしかに生徒会も大変。なんでだろうな?
五十嵐「そんなにやることあるんだ」
私 「うん。なかなか終わらないよ」
五十嵐「勉強は?」
もう、私の余命は決まっている。そんなにやる必要はなかった。
私 「まぁ、それはしてないかな。実咲は頑張ってるの?」
五十嵐「そうね。勉強しかしてないよ」
さすがだ。意識が高いな。
私 「凄いね」
五十嵐「私は、全然だよ」
相変わらず謙虚だ。
私 「そうなの?」
五十嵐「うん」
私 「実咲って中学校の時から頭いいの?」
聞かなくても賢いのはわかっていた。
五十嵐「そんなことないよ。今もずっと頭よくないよ」
私 「そんなことないでしょ」
自分が頭いいとは思っていないみたいだ。
五十嵐「いやいや、あるよ。中学校の時は、ずっと真波がいたしね」
私 「あっ、BIG3ね」
やっぱり、どの子もBIG3を意識してるんだね。私は、BIG3とは言え、負けたくない。
五十嵐「そうそう。あんな子がいたら、私は何も敵わないよ」
私 「そうかな?私は、実咲が凄いと思うけど」
五十嵐「うそー?相変わらず優しいね」
笑顔がとても可愛らしかった。余命があと少しにとっては、美咲にはずっと笑顔でいてほしかった。