6月17日 生徒会メンバー
授業が終わり、生徒会室に掲げられた横断幕がひときわ鮮やかに目に映った。「応戦〜努力の先へ〜」。その文字は、窓ガラス越しの夕陽に照らされて輝き、完成したてということもあり、私は制服の裾を気にしながら、じっとその横断幕を見つめていた。奥の窓が空いており、結の長い髪が風になびいていた。結の目は真剣そのものだ。明日の開会式の練習のことを考えてるのだろか?彼女の瞳には、決意と期待が入り混じった強い意志のようなものを感じる。"聖淮戦"はそんなに大したことないのにな。私だけかな?こんな気持ちなのは。ここにいるみんなは、真剣そのものだった。何かの魂がまるで宿っているかのように。
私 「みんな、ありがとう。少し休憩しようよ」
放課後からずっと、横断幕を作っていたみんなを休憩させたかった。ここにいるみんなと作った生徒会は、最高の場所だった。普段は、何気ない友だちだが、みんなの目の奥には何かを掴もうとする強い意志が見えた。みんなが集まっている様子を見ながら、私はあの日生徒会長に立候補してよかったと思えた。今でこそちゃんと成立しているけど、あの当時はそんなことまったくなかった。
私が生徒会長になったのは、学校創設以来立候補者がいなかったから。もし、私が立候補してなかったら、今頃この学校はどうなっているんだろうか?時々、そんなことも考えてしまう。生徒会長になってからは、生徒会のメンバーを募るところから始まった。あの頃は、誰をメンバーにいれるかとても迷っていた。最初は、副会長について。副会長は私に対して物怖じしない人がよかった。でも、私にどんどん意見が言える人なんて一人もいないだろう。そんな中で白羽の矢が立ったのは、藤原結だ。彼女は、とても論理的に物事を考えることができる女性だった.校内のテストでは、いつも3番以内。話していても、いつも納得感を得ることができた。その瞬間、この子しかいないと思い声をかけたのだった。話してみると、とても優しく意見が食い違うことなんてほとんどなかった。結と話す中で、他のメンバーをどうするかという話になった。最初、私は男性を入れた方がいいと思っていた。そのことを結に伝えると、結は、男性を入れても意見が食い違いまとまらないんじゃないかと言われたのだった。結の意見に合意して、そこから男性以外のメンバーを採用することにした。そこが生徒会の始まりだった。




