6月16日 佐々木天音
聖淮戦まで残り3日。私たち生徒会は、最後の準備をしていた。横断幕は、あと3分の1を塗れば終わる。ただ、みんな忙しくて今日は終わらなさそうだった。
尾川「どう?準備整った?」
私 「あとは、横断幕だけかな」
今日は、バトミントンの練習がないようでいつもより余裕があるように感じる。
尾川「横断幕作ってるんだ」
私 「そうなのよ」
尾川「大変そうね」
私 「まぁねぇ」
私よりも、尾川は毎日忙しくしてるのにな。
私 「聖淮戦の時、何時に来る?」
尾川「何時がいいの?」
私 「やっぱり開会式の時と閉会式の時が私たちは忙しいかな」
開会式の前は、サッカー部がおそらくアップし始める頃な気がした。おそらく、春助のことだから、相当気合が入っている気がする。
尾川「じゃあ、開会式の時には行くよ」
私 「ホント、ありがとう」
尾川「全然、メンバーだしちゃんとやらないとね」
私 「そういえば、最近バトミントンの方はどうなの?」
ここ最近は、あまりバトミントンの話を聞いていなかった。淮南高校では、外部でスポーツをしている人は少ない。最近は、少子化の影響で学校外でスポーツをする人も見られるけど私たちは少ない。
尾川「最近ダブルスしか勝てないんだよね」
私 「ダブルスってどこの人と組むの?」
尾川「今、私が組んでるのは海美の子」
私 「へぇー。海美にバトミントンなんてしてる子いるんだね」
正直、海美高校は学力が高いから、学校内の部活をやった方が推薦などで大学に入りやすいというメリットがあった。
尾川「海美は、学力も高いけど一つの能力に秀でた人が多いイメージなんだよね」
私 「へぇー。そうなんだ」
尾川「知らない?」
私 「うん」
私は、そういうイメージをもっていなかった。
尾川「また、海美のことはいろいろ教えてあげるよ」
私 「いや、海美に興味ないからいいよ」
尾川「なんでよ、興味もってよ」
私 「組んでいる人なんて言うの?」
私の残りの人生は、こうしていろんな人の頑張りを見て終わるんじゃないかとこの時気がついたのだった。
尾川「佐々木天音」
私 「ささき?」
どこかで聞いたことがある名前だった。気のせいかな?なぜかわからないけど、私の頭の片隅に引っかかっていた。




