6月10日 残り9日
聖淮戦まで残り9日。もう10日を切ってしまった。なのに全然準備も上手くいっていない。なんで、こんなに上手くいかないんだろうか?私は、自分がやってきたことが正しいかどうかがわからなかった。あんなにも頑張ったのにな。聖徳高校の篠木たちに止められていた。このまま聖淮戦に向かうのは何だか納得がいかなかった。
お母さん「最近調子悪そうに見えるけど?」
私 「最近忙しくてね」
きっちり見られているな。
お母さん「そうなの?お父さん心配してたよ」
私 「そんな心配してたら、これからモタないよ」
お母さんとお父さんは、私の余命を知っているから、常に心配しているんだろうな。
お母さん「まぁね、、、、、」
少し口を閉ざしてしまった。
お母さん「お父さんもずっと心配している」
私 「そっかぁ」
私の体調は、お母さんやお父さんにずっと見られていたということかぁ。
お母さん「友だちには、いつ言うの?」
私 「言わないよ」
お母さん「言わないの?」
もともと言うつもりはなかった。
私 「言わないよ」
お母さん「なんで言わないのよ?」
なんでって言われてもなぁ。
私 「病気になった時から私は決めてたから」
お母さん「そうなの?」
病気と言われたあの日から自分で決めていた。
お母さん「いつ最後になるかもわからないのに」
私 「まぁ、そうだけど」
最後と言われると何だか胸が痛くなる。
お母さん「大事な友だちには絶対伝えてほしい」
私 「、、、、、、、」
お母さん「友だちに伝えれないなら、もうその人とは関わらないであげて。悲しくなるだけだから」
悲しくなるだけ、、、、、。私は、そういう風に見られてるのか。甘かったな。私の考え。
私 「わかったよ。体調悪くなるまでにみんなに言うよ」
お母さん「ありがとう。最後まであなたには幸せでいてほしいの」
私 「もう、十分幸せだよ」
たとえ、後1年生きれなくても十分幸せだ。それだけは、変わらないだろうな。
お母さん「無理だけはしないでよ」
私 「わかってるよ」
お母さん「もし、あなたを不幸せにする者がいたら、私がありとあらゆる手段を使ってその人たちを追い払うわ」
気がつけば、涙が溢れて落ちていたのだった。




