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6月5日 交錯

 昨日、私は何をしていたのだろうか?自分がしていたことがよくわからなかった。まぁ、みんなに見せている自分と本当の自分が交錯したカタチだったのかもしれない。とりあえず、今日も生きるしかなかった。


 ー6月4日ー


 怜 「じゃあ、勝ったチームが部費を上げるということでいい?」


 怜の視線は、私の方を向いた。


 私 「どうですか?みなさん」


 大きな声でみんなに問いかける。


 中田「俺は賛成だな」


 真っ先に口火を切った中田を見つめる。


 私 「俺はじゃないんですけど?」


 一斉に視線が私の方を向く。


 私 「中田くんさ、自分の意見言うのはいいけどさ、それだけ言うのは誰でも言えるから」


 みんな唖然としている。


 湯浅「じゃあ、どうすればいいの?」

 私 「どうすればいいかわかんないの?」


 完全に男子にケンカを売っているのはわかっている。ただ、ここでいかなかったら私が生徒会長をしている意味がない。


 湯浅「わかんないから、聞いてるんだけど」

 私 「自分の部活のことだけ考えないで」


 強い口調にみんな少し引いているようにも見えた。


 私 「私は、この学校を背負ってるの?みんなにその覚悟はあるの?」


 中田の方に視線を向ける。


 私 「さっき、勝ったら部活動の部費上げるって言ってたけど部費がどこから賄われているかわかる?」


 もう完全にみんな黙ってしまう。


 私 「ねぇ、中田くん?答えてもらっていい?」


 背筋を伸ばし中田は口を開いた。


 中田「そりゃあ、学校だろ」

 私 「部費を上げたら、どこかが下がるのよ?理解できないかな?」


 完全に論破されたカタチ。中田はどうするのだろうか?


 中田「そんぐらい知ってるよ。だから、ここの部活動で負けたところは下げたらいいんじゃないの?」

 私 「じゃあ、全チーム勝ったらどうするの?」

 

 口を開けない。正直言えば、学校なんてどうでもいい。いつ死ぬかわからないこの気持ちを別のどこかに晴らしたいだけなのかもしれなかった。


 私 「なーんちゃってね」


 私は笑顔を見せ、雰囲気を変える。


 私 「中田くん、冗談だから気にしないでね。ハハハハ」

 中田「焦るわー」


 みんなの笑顔が一気に戻る。


 私 「部費のことは、私から先生に言ってみるね」


 みんな落ち着いたようだ。さっさとこのミーティングを切り上げることにした。

 

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