6月2日 尾川怜
尾川は、久しぶりに学校に戻ってきた。というのも、バトミントン部で選抜に選ばれたからだ。5月の中旬から東京の方で過ごしており、学校に来れてなかったのだ。
私 「大変だった?」
尾川「そうね。忙しかったかな」
横にいるだけで、尾川からいい匂いがする。さすがだ。
私 「ずっと試合してたの?」
尾川「次の大会でメンバー選ぶんだって」
私 「へぇー。そうなんだ」
彼女が向こうで何をしていたのかはわからないけど、ただならぬ自信をもちあわせていた。
尾川「こっちのみんなはどうなの?」
私 「もうすぐ、"聖淮戦"があるから盛り上がっているよ」
尾川「へぇー、そうなんだ。"聖淮戦"って盛り上がるの?」
私たちの学校には、バトミントン部はないから尾川は、一度も聖淮戦に来たことがなかった。
私 「まぁ、そこそこね」
尾川「今年はどっちであるの?」
私 「今年は聖徳高校だよ」
尾川「えー。じゃあ、また見れないじゃない」
だったら、聖徳高校に行けばいいのに。思わず頭の中で思ってしまう。
私 「まぁ、興味あれば来たら」
尾川「そうだね。オススメは、やっぱりサッカー?」
私 「うーん、、、、、。サッカーと野球とバスケかな?」
尾川「バスケ?」
驚きの表情を見せた。
私 「女子バスケ部」
尾川「女バスってそんなに人気なの?」
人気ではない。
私 「聖徳の高田って知ってる?」
尾川「あー。あのBIG3の?」
私 「そうそう。あの子がいるのよ」
尾川「そうなんだ」
高田の名前を出してもビビることすらなかった。ある意味私に似ている。
私 「聖徳は、女バスを推してるみたいだよ」
尾川「なんで?」
私 「わざわざ、人が集まる時間にしてきたのよ」
尾川「へぇー」
尾川は、バトミントンしかしてきたことがないので、団体競技はわからないようだ。
私 「話したことあるの?」
尾川「高田?」
私 「うん」
尾川「あるよ。なんか、昔どっかで、、、、、。でも、全然覚えてないや。ハハハハ」
笑顔で私の方を向いていた。
私 「私も気になるな、高田って子」
尾川「凄い優しくていい子だよ」
私 「そうなんだ」
そうだ。時間があったら高田と話してみよう。私は、その時思いついたのだった。




