5月30日 解消
実咲は、勉強を終え私に対して何かが話したい様子だった。
私 「どうしたの?」
五十嵐「昨日、打ち合わせ合ったんでしょ?」
私 「うん」
実咲は、知ってたんだ。私たちの打ち合わせを。実咲は、部活動をしてないから、影響しないのにな。
五十嵐「大丈夫だった?」
私 「どうだろうね。いろいろあったけどね」
昨日の打ち合わせがよかったなんかわからない。正直、篠木に反論されたのは想定外だった。私は、あの場で主導権を握りたかったのかが本音だった。しかし、あそこで篠木に反論されたから、私がただ嫌なことを言う奴という認定で終わってしまったのだ。
五十嵐「ハハハハ。やっぱり、そうなんだ」
実咲は、楽しそうに笑ってくれた。
私 「実咲は、当日来るの?」
五十嵐「聖淮戦?」
私 「そうだよ」
少し間が空いた後、答えた。
五十嵐「行かないよ」
私 「そうなんだ」
行かないんだ。だったら、なんで聞いてきたんだよ。
五十嵐「だって、部活入っていない私が聞いても意味ないじゃない」
私 「そうだね」
実咲の言う通り。でも、なんでさっきの質問をしたんだろうか。
五十嵐「向こうに真波いた?」
私 「いなかったよ」
五十嵐「そっかぁ」
実咲が気にしてたのは、BIG3の高田真波のことだった。確か、同じ中学校だった。
私 「会いたかったの?」
五十嵐「いや、そんなことないんだけど。元気してるのかなって」
何か意図があるのかな?
私 「同じBIG3の篠木だったらいたけどね」
五十嵐「あー、あの有名な」
私 「そうそう」
篠木には、あまり興味がなさそうだった。
五十嵐「南朋さ、、、、、」
私 「なに?どうした?」
何かを言いかけた。
五十嵐「いや、やっぱりいいや」
私 「えー、何よ」
五十嵐「なんでもないって。ハハハハ」
笑顔の奥には、何かある。そう確信していた。
私 「何を言いかけたのか教えてよ」
五十嵐「また、今度ね」
頑なに言おうとはしなかった。
私 「そんなこと言われると聞きたくなるから」
五十嵐「じゃあ、また今度言うねー」
私 「えー」
実咲は、先生の机にノートを置いた。
五十嵐「もう、そろそろ時間だからいくね」
もやもやした気持ちを上手く解消できなかった。




