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5月20日 余命

 私は、ストップウォッチを時々見ながら、ゴールに吸い込まれていくボールの音を聞いていた。ボールを蹴る生徒たちは、とてもイキイキしているみたいだった。エース藤森、キャプテンの林を中心にこのチームは構成されていた。今年のサッカー部は、みなとても仲がいい。同じ高校生でも、聖徳高校とは大違いであることを聞いていた。聖徳高校は、個々の力で集まっているチームで、淮南高校は、全員で一つの力を出すチームだった。別に仲がいいことが大事だとは思っていないけど、みんなが頑張っているのを見るとなんだか応援したくなってしまう。淮南高校サッカー部の魅力だった。

 淮南高校3年生。これが今の私。高校では、生徒会長をしながら、サッカー部のマネージャーもしていて、多忙な生活を送っていた。勉強は、そこそこできるし、友人も特定の仲がいい人がいた。おまけに、彼氏もいてそれなりに、順風満帆な人生をおくらしてもらっていた。しかし、それは、今だけだった。やはり、これ以上のことを考えるとなんだか、悲しくなってしまうな。私は、これから先の未来はできるだけ考えないようにしていた。

 なぜかというと、、、、、、。私は、余命宣告を受けていたからだ。余命宣告なんてね。自分でも笑いそうになってしまう。こんなこと、ドラマや映画などの世界にしかない話だと思っていた。余命は、残り2年。今から、治療に専念すれば1年から2年寿命が伸びる可能性があるらしい。しかし、このまま生活すると2年で人生が終わってしまうそうだ。どっちにしろ終わるなら私らしく死にたい。それが私の想いだった。私の病気を唯一知っている家族は、私の想いを尊重してくれたのだった。

 私がかかっていたのは、"がん"だ。徐々に私の体力を奪っていく。高校に入ってきた頃と比べると、雲泥の差があった。でも、それもそれで受け入れることができたのだった。普段、生活すること自体は問題ない。後は、残された人生、好きなように生きようと思っていた。私が通う淮南高校には、とてもいい友だちがいた。よく一緒にいるのは、藤原結。五十嵐実咲。本田栞菜の三人だ。一緒にいる時は、とても楽しいし笑顔にさせてくれる。けど、いつかバレてしまうんじゃないかと思うと、自分の不安がなかなか拭えなかった。もうすぐ終わってしまう人生なのはわかってるけど、誰にも心配かけずに終わりたい。それが、私の本音だった。

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