こうしてそうなった
さぁ、どうしてこうなったのか?
ピクニックに行くべく意気揚々とウキウキで街を飛び出した私達。
数時間ほどポカポカ陽気の中、トコトコと平原を歩きます。
風が気持ち良く、急ぐ事もありません。
「今日のお昼は例の新作のカレーパンですか?」
楽しみで仕方ありませんでした。仕方ないのです。
「いや、あれは晩御飯だ。お昼はサンドイッチ。ベーコンとレタスとトマトのシンプルなモノに加えて、卵を半熟にマヨネーズを混ぜたモノを挟んだのだがこれが奇跡の相性だった」
ナニソレ超絶美味しそう。
「それ、絶対美味しいやつじゃないですかぁ♪」
「楽しみですねぇ♪」
エビちゃんとリズも楽しみで仕方ない様です。
晩御飯も楽しみですが、たまごサンドも涎がでます。
ニコニコと朗らかに進む私達。
すると目の前から、何やらトカゲ一匹とゾロゾロと怪しげな集団が歩いて来ました。
「どうも〜。良い天気ですねぇ♪」
私はにこやかにお辞儀をします。
良い天気ですねぇ♪今日はピクニックですか?
そうなんですよ♪ちょっと近くの丘まで。
そうなんですかぁ♪気を付けて行ってくださいね。
となる訳はありませんでした。
「貴様ら!只者ではないな!?」
トカゲが言いました。
そして、前回のお話となりましたとさ。
めちゃくちゃですねぇ・・・。
・・・
「何でバレたんですかねぇ?」
ラトに聞いてみます。
「生命力三万の化け物が警戒されない訳ないのニャ」
相手は特殊鑑定持ちですかぁ・・・。
「そっちのドレスの女も只者ではないな!」
エビちゃんもバレてます。
「その猫も・・・ん?もしや貴様は・・・貴様こそ元凶の奴なのではないか!?我は一度、会った事がある!気配が・・・似ているぞ!?」
ラトの知り合いですね。任せて良いですか?
「そっちのメイドも・・・怪しいな」
リズも警戒されています。珍しいですね。
もれなく我々は怪しい集団認定。否定は出来ませんねぇ・・・。
あれ?ラックは?まぁ、パンと鑑定は見た目では分かりませんね。
しかし、この人達は誰なのでしょう?
いや、邪神龍ケイオス・ファフニールさんらしいですけど・・・。
律儀に名乗って下さっておりました。
いっぱい怪しい人達を連れてゾロゾロとヤバンからソボックに向かっている集団。
これはあれですね。
『侵略ですね?』
「リズ。言い訳はありますか?」
私は笑顔でリズに問いかけます。侵攻はまだ先だと言っていました。それに、リズを含めた冒険者で犠牲は出るものの勝てる算段だったみたいですが・・・
龍です。
しかも最上位の神龍です。
邪神龍?聞いた事もありません。
「あれに勝てる算段があったのです?」
リズは引き攣った顔で微笑んだ後、そっと目を逸らしました。
コラーッ!やっぱり想定外なんですね!?
「さすがにあれは・・・道連れ覚悟なら或いはなんとか・・・ギリギリ・・・みたいな?」
命懸けでもなんとかなるか怪しいレベルですか。いや、私の想定以上にはリズは強い様ですね。あれに勝てるとかどうかしていますし。
しかし、犠牲は計り知れません。
まったく、本当に事前に聞いて置いて良かったですよ。
「はぁ・・・。ラト、あれに『ホーリー・レイ』をぶち込んで良いですか?」
一応、聞いておいてあげましょう。
「やめてやれニャ。死んでしまうのニャ」
え?一撃?とてもお強そうですが?
分厚く黒く煌めく鱗。美しくすら見えます。『神龍』。体躯は5m程ですが、その力は地を割りブレスは山を抉ると言われています。Sランク冒険者がパーティを組んでも倒せるか怪しい程です。
神龍と言えば最上位の魔物なのです。まごう事なきラスボスです。
神の次に強いと言われる存在。それを一撃?
「冗談ですよね?」
むしろ、冗談であって欲しいです。
「この際、言っておくが私は神より強いのニャ。そもそも神二人取り込んでるのニャ、神より弱い訳がないのニャ」
えぇ〜・・・?ラトって凄かったんですね・・・。
そして、冗談ではなかった様です。
「だから前から言っている、私は悪魔より神よりお前が怖いとニャ。
このバグ娘め・・・」
う〜ん。私が最強だった件について・・・。
「ホーリーなら大丈夫ですかね?」
中級魔法にランクダウンしておきましょう♪
「ライフドレインと拘束で許してやれニャ」
・・・それ、初級魔法ですよ?
私、マジ化け物じゃないですかぁ・・・。




