そりゃ、怒りますってぇ・・・
「書物によれば両親は、とても素晴らしい冒険者だったらしい。俺は冒険者に憧れた。その為にも強い武神様の加護は是非とも欲しかった」
なるほど、高ランクの冒険者は貴族以上の地位を持つ事もあります。
御両親はきっとさぞ立派な冒険者だったのでしょう。
そして、それに憧れる少年。少しホッコリしました。
「俺はパンを食べ、本を読み、武神像を殴り続けた」
修行僧かな?これほど高尚な生活を送る人もそうはいないでしょう。
彼の武神様の加護は凄まじい事になっているのではないでしょうか?
「そして、残り二体の技術神様と食神様の神像にも毎日、祈りを捧げた」
あ、初めて彼の口から技術神様のお名前が出ましたね。呪いのきっかけは、その祈りだったのでしょうか・・・。
ん?あ・・・ここで私は察してしまいました・・・。
「そして十年の歳月が流れ、俺は遂に神像を叩き割った!」
叩き割ってしまいましたかぁ・・・そうですかぁ・・・。
彼は目が悪かった。そして、庭には三体の神像・・・。
「神託を受けた俺は無事、武神様の加護を受け普通の視力を得た。そして、食神様の加護まで頂いたのだ」
あ、一応お二人の神様からは加護を頂けたんですね・・・それはせめてもの救いだったのかもしれません。
「しかし、技術神様から呪いを受けた。視力を得た俺は庭を見て絶望した・・・そして納得した。そこには食神像と、何故か綺麗に復元された武神像、そして砕け散った技術神像・・・しかも何故か位置が入れ替えられていた・・・」
え・・・?まさか・・・
「一体、誰があんな酷い事をしたのか・・・。この呪いは、技術神像を守れなかった報いなんだ!」
・・・
貴様にゃああああぁぁっ!!
思わず幼児言葉が出てしまいました。猫獣人にとって『ニャ』は幼児言葉。十六歳にもなって使うのはお恥ずかしい限りなのですが・・・あまりの出来事に取り乱しました。
未だに自分がやったと思っていないとは驚きました。驚愕でした・・・。
この人は十年もの間、勘違いで技術神像をぶん殴り続けた挙句、遂には殴り壊したのです。
そりゃあ、技術神様も怒りますってぇ・・・。