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sideリズ リズの過去①

 私がソボックの街に来たのは、ピュアと同じ10歳の時の事。

 それまでは、魔術研究所の施設に5歳から収容されていました。

 親の顔は覚えていません。


 魔術研究所とは、表向きでその内情は・・・死神過激信仰派の実験施設。

 その施設には、トラネコの死神像が置かれていました。


 死神の加護増幅実験。私達はその実験体でした。


 死神様の加護の素養を如実に見せた私は、格好のサンプルでした。


 生きている事がどうでもよかった。


 外の世界など知らない。どうやら、私は捨てられてここに来た様です。

 幼い頃から、不吉と言われる死神様の、加護の素養を持つ私は・・・。


 そこに7歳の時に収容されてきたのが、ピュアでした。


「私の方が生まれた月が早いから、私がお姉さんだニャ!」


 ドヤ顔で語るピュア。可愛すぎます。

 どうやら彼女も親に捨てられてここにきた様でした。

 しかし、私とは違い・・・生きる事に対して前向きでした。


「つまらんのニャ。だから勝負しろニャ!今日の実験の数値、私の方が高かったら私の勝ちニャ♪」


 あぁ、可愛い。一生懸命に張り合いながら、絡んでくるピュアが、私は同い年なのに可愛くて愛おしくて仕方がありませんでした。


 施設にはあまり玩具の類は多くはありませんでしたし、部屋に押し込まれていました。だから、子供たちはいつも退屈していたのです。


 そんな中で、ピュアは・・・ピュアだけはどうすれば楽しくなるかを考えていました。


「この積み木をここから順番に投げて箱に最初に入れた人が勝ちニャ♪」

「負けた方が罰ゲームにゃ♪これと、これを使ってボケるのニャ!」


 結局、ピュアが負けて渾身のボケで氷結魔法を使っていました。

 あぁ、スベるピュア可愛い・・・。


 ピュアのおかげで施設の暮らしが色づきました。

 実験は苦しいモノばかりでした。人間扱いされていませんでしたし。

 

 死神信仰の加護増幅効果のある行い・・・。

 生物の生命を奪うモノもありました。

 あの実験の後は・・・いつもピュアは静かでした。


 私には、日常過ぎて何も感じませんでした。


「なんで平気そうなのニャ!」


 え?だって、私のせいじゃありませんし・・・。


「こんな実験・・・間違ってるのニャ・・・」


 私は疑問にすら思っていませんでした。


・・・


 研究施設の実験は・・・停滞していました。

 ピリピリとした空気が施設全体に広がっていたのです。


 どうやら上からの圧力も増している様でした。

 更に、ピュアを中心に子供達が楽しそうにしているのも停滞の原因ではないか、

などとアホな事を言う奴まで出てきました。関係ないんですけどね。


 停滞の原因は、ただの頭打ちです。既出の手段ではここが限界だったのです。

 その最高到達者が・・・私でした。


 こんな計画、潰れれば良いのに、と思いました。

 しかし奴らは、とんでもない事を言い出したのです。


「子供に子供を殺させれば、死神様はより深く愛してくれるんじゃないか?」


 アホです。死神様を邪神か何かと勘違いしている様でした。

 殺しを行った者の死神様の加護が増幅したと言う研究資料は確かに存在しました。

 記実の真相は、生命神様の呪いによる、死神加護増幅だったのです。

 しかし、アホな研究員達はそれに気付きません。


 しかも、彼らは・・・悪魔に操られていました。

 死神属性の上級悪魔『ヌーパスタドル』


 私達は『てい』のいい生贄・・・。


 しかも丁寧に、悪魔の呪いまでかけられて逃げれない様にされていました。


 どうやら、救いは・・・ないようです。

 ちなみに、これらの事を知ったのは私の鑑定スキルのおかげです。

 研究員達には内緒にしていましたが、私は鑑定と収納インベントリのスキルを所持していたのです。中々に貴重で便利なスキルでした。


 私はそれらの事実をピュアにだけは伝えました。


 すると・・・


「ふ〜ん。ん〜、でも出来る事は・・・ないニャ。アホの振りして遊ぶのニャ♪」


 えぇ〜・・・?アホの子のピュア、可愛い。


 しかし、この時は知りませんでしたがピュアは本当に聡明な子でした。

 彼女は、アホの子の振りをしながらも脱出の手立てを進めていたのです・・・。

 私と違って・・・。

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