パンデミックの経過
実は、他にも感染拡大の大きな要因がいくつかありました。
その一つがギルドです。
軍事力の強化は安心を生み、魔物から生産される資源は街をより裕福にしました。
まず、エビちゃんが強すぎる件について。
近場のダンジョンを軒並み踏破してしまいました。
無双です。
遠足感覚で単身ダンジョンにアタックして最深部のボスを瞬殺して帰ってきます。
人外です。
武神の加護【超人】によって、エビちゃんはまさに超人になりました。
今までは、格好いい剣術はデバフに繋がりました。だから、格好悪い技を選んで使っていたのです。それは威力の弱いものばかりでした。しかし、今は美しい剣技を無数に放つ事が出来ます。
武神の加護【超人】によって、エビちゃんは女性が使う剣術を最大限に引き出せる様に骨格レベルで肉体を変化させました。身体能力は最早、人のそれを超越しています。
そんなエビちゃんが冒険者達に指導もしました。
相変わらず新人冒険者や、天狗になっている冒険者をコテンパンにしています。
おかげで冒険者達のレベルは見る見るうちに上がっているのです。
「もっと殴ってください!あぁ・・・なんと美しい太刀筋・・・勉強になります!」
「次は俺の順番だぞ!さっさと交代しろ!」
「お前は、先週も足を折って貰っただろうが!今日は俺に譲れ!」
ボコボコにされた冒険者がどこか満足そうで、嬉しそうなのは何故でしょう?
おかしな方向に向かわなければいいのですが・・・。
もう手遅れかもしれません・・・。
ちなみになぜエビちゃんの件を知ってるかと言うと、たまに大怪我をした冒険者の治療をしていましたので・・・。
『すいません。今日もエビちゃんがやり過ぎて新人冒険者の腕を折っちゃったんで治療お願いしていいですか・・・?』
リズが、隣の道具屋で働いてる私に助けを求めにくるのです。
私の異常な生命魔法は死んでなければ、ほぼ完治出来ますから。
ただ、それがバレると色々と面倒なので毎回、変装をして正体不明の治癒士として活動してます。そんな私は、夜な夜なこっそりと、街中の病人を治してまわったりもしているのです。
世界中の全ての人を癒せるわけではありませんし、そんなつもりもありません。
しかし、目の届く範囲の人ぐらいは・・・治せるのだから治したい。
これは私のエゴかもしれませんね。
それでも、それによって病気や怪我、体の欠損を癒す事で、幸せになった人がいます。
自己満足でも、その事自体はとても良い事だと思うのですよ。
怪我が突如として治った人達は奇跡だと感涙を流しました。
バレない様にしていたのに、なぜか『聖女の慈悲だ!』などと噂されています。
こうした要素も合わさって、イースター菌は街中に蔓延しました。
エビちゃんが本来の力を取り戻したのは、私のアイデアのおかげかもしれませんが、その根本にはラックの謎鑑定能力があります。
私の治癒活動も、私の問題解決が根本にあり、それはラックのパンのおかげです。
つまり・・・大体、ラックのせいですね♪
その点のついては、彼は間違っていなかった様です。
ただ一点、大きく間違っていたのは、それが決して責任を感じる様な問題ではなく、むしろ賞賛されるべき功績だという事。
そして、それは決して・・・イースター菌のせいなどではないのですよ。




