パンデミックの原因
結局、領主様にはイースター菌の詳細をそのまま伝えました。
私は気になっている事もあり、領主様に隠す意味はないと判断しました。
「俺のせいで・・・みんなが幸福になってしまう・・・。俺はなんて事をしてしまったんだぁ!」
ラックは随分と気にしていた様ですが、正直いうと私は全く気にしていませんでした。だってタチの悪いイタズラですし・・・。
「もう遅いかもしれないが、罪を抱えて森でひっそりと暮らすべきなのかもしれない・・・」
この人のせいではないと何度も言ってるんですけどねぇ。
今更、森に帰っても何も変わらないと、みんなで静止して何とか留まらせました。
家がなくなると困ります。あと、あの焼き立てパンが食べれなくなるのも嫌です。
あれ?私、自己中心的すぎでは?
そんな中、時は流れ街は未曾有の好景気に湧きました。
イースター菌は、街の人達にはちょっと熱が出る事がある風邪の様なモノ、と説明されました。
詳細はラック以外は誰も鑑定出来ませんし内緒にしておいた方が無難です。
本来の効果は言われなければ誰もわからないと思っていました。
しかし、街ではこの好景気はイースター菌のおかげなんじゃないか、などと言う噂も聞こえてきました。発生時期が同時期で、幸福を共有すると伝染するのでどうしても幸福な人とイースター菌が結びつく。幸福だからイースター菌に感染した訳で、経路は逆なんですけどねぇ・・・そんな事、私達しか分かりません。
街の好景気、幸福の連鎖、当然イースター菌のせいなどではありません。
まず、ラックの食料自給率アップが大きく影響しました。
これについては、確かにラックのせいですね。
出生調整が緩くなり自由に出産出来るようになりましたので、多くの人々が子供を望むようになりました。男は単純なもので俄然、仕事に励むようになりました。
難民の受け入れも始まり労働力も増えました。
加えて、生活が豊かになり結婚する人が増えました。
結婚ラッシュです。皆がそれを祝福しました。親族を筆頭に幸せの連鎖は続きます。
感染は爆発的に増え、パンデミックが起きましたとさ・・・。
単純にパンが美味しくなった事も幸福の連鎖に繋がりました。
感染力が強すぎます・・・。ちょっとした幸せでも感染する様です。
しかし、毎日食べるパンが美味しいという事は、とても幸せな事なのだと思います。とても良く分かります。これは、ラックがパンダネを提供した事に加えて、孤児院にパン作りの極意を伝えた事も起因します。
とても熱心に指導していましたから・・・。
ラックパンも少し値段を上に設定して流通しました。
みんなが取り合いの状態です。深夜から店前に並ぶ猛者が現れて整理券が発行される程です。
食べた者は皆、涙したとすら言われています。
分かります。
ちなみに、私達の分はもちろん別で確保しています。
ズルい?
知らんニャ。これは私のパンにゃ。




