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汎発性流行(パンデミック)

「で?それが病気とどんな関係があるんです?」


 話が着陸する気がない様だったので、こちらから無理やりにでも着地点へ誘導する事にしました。


「イースター菌の感染には、どうやら潜伏期間があった様なんだ。俺は今、イースター菌感染【重篤】状態になっている事にさっき気付いたんだ!イースト菌の仲間だと思ったのに・・・。パンダンジョンに現れたレアモンスターがドロップしたレアアイテム。それは、俺のパンを昇華するキーアイテムだったんじゃないかと、俺は後悔に打ちひしがれていた。しかし、俺は思ったんだ。最高のパンは決して素材や材料、ましてやイースト菌によって達成されるものではないと!!」


 話がまた飛んでいきました。撃ち落としてやりましょうかね?


「で、それがなんで街の人達の幸福に繋がるんです?」


 私は沈着かつ冷静に、話を本筋へ叩き落とします。


「それなんだが・・・イースター菌は人を幸福状態にし易くするらしい。しかも、幸せを共有する事で感染するらしいんだ・・・」


 んー。やっぱり良い事なのでは?


「リズの鑑定ではどうなってます?」

「イースター菌感染となってますねぇ。詳細は何も分かりませんが・・・」


 ラックに見せて貰ったイースター菌の鑑定結果はこうでした。


イースター菌

・イースター菌に感染した者は、幸福状態になり易い。意志が強いと症状は薄い。

・タブン幸福を共有すると感染し易く症状はすぐ出るが鑑定出来るまで数日かかる。

・ズット感染している訳ではなく、そのうち治る。後遺症はあるかも?

・ラックによって倒されたパンミミックからドロップした。


 なんですか、この巫山戯ふざけた説明文は・・・?

 たぶんってなんニャ?そのうちってどのくらいニャ・・・。かも?ってなんニャ!

 

「・・・ほっといて良いのでは?」


 私はどうでもよくなりました。

 正直、見る限り無害です。あと気になる点もいくつもありますし、いい加減ちょっと腹も立ってきました。と言うかお腹が空いてきました。


「一応、鑑定で出てしまう以上、領主様にお話して理由をつけて街の人達に安全だと周知させないと大混乱になるんじゃないですかねぇ・・・」


 確かにまだ安全と決まった訳ではないですし。街の人達が感染すれば当事者は突如、謎の菌に侵されていると気付く訳ですから大混乱に陥るのは容易に想像出来ます。面倒臭いですねぇ・・・。


「幸い明日も謁見予定ですし報告しといた方がいいでしょうねぇ・・・」


 少なくとも私達四人は感染していると思った方が良さそうです。

 あ、あとシャケトリオも不味いかも。領主様と娘のモニア様も感染してそうですね。

 孤児院の人達も可能性が高そうです。しかも、そこからネズミ算式に増えていく訳で、街の人達は皆、良い人ばかりですから幸福を共有しあえる人ばかりです。

 更に、ラックによってもたらされるであろう食糧問題の解決によって、これから街は幸福な人がいっそうに増えていく事でしょう。

 

 これは・・・頻発性流行パンデミックが起こりますねぇ・・・。

 パンミミックでパンデミックですか。笑えませんね。

 

 本当にタチが悪い。


 タチの悪い・・・イタズラです・・・。

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