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シャケい!

「領主様にヤバス国の第一王女を保護したと伝えてください」


 私はリズに指示を出します。


「何故それを!?」


 クルセが大袈裟に驚く。アレで無しに出来たと本気で思っている様です。

 頭を引っ叩いてあげたいですね♪


「とりあえず、今日はこっちで保護して下さいとの事ですぅ」


 仕事が早いですね。リズが早速、通信して領主様から返事を貰った様です。

 保護ですかぁ・・・確かに呪いの館はある意味、国一番安全です。

 制限が緩和されたエビちゃんはS級冒険者でもトップクラスですし。

 ただ、ラックに怯える三人の姿を見ると大丈夫かちょっと心配です。

 まぁ、仕方ないので連れて帰りましょう。


 しかし、ラックが破壊した装備品を何とかしてあげたいのですが・・・あ。

 

 そこで私は・・・そっとクロエに・・・シャケジャンをかけてあげました。


「これを使って下さい。防具はこれでオッケーですね♪」


 性能だけで言えば元の服よりも上です。

 処分も出来て超ハッピーです♪


「こんな高性能な防具を頂いて良いのですか!?」


 あれ?意外と好印象。ちょっと罪悪感です。

 でも、本人が問題ないと言っていますし解決でいっか♪

 細かい事は気にしない様にしましょう。


 後は武器ですよねぇ。アオイのナイフと手甲は使い捨ての安物だった様ですが、クルセの武器は中級冒険者でもそこそこの代物。なんでも師匠に貰ったとか。

 そこらの適当なモノという訳には行かなそうなのです・・・。


「話は聞かせて貰いましたよ!」


 その時、ギルドの入り口から高らかに聞き覚えのある声がしました。

 

 盗み聞きは良くないと思います。


 後光が差し込み神々しく颯爽と現れたるは・・・エビちゃんですね。


 その手にはサーモンピンクに白の刃紋が浮かぶ大剣が掲げられていました。

 片刃のそれは、背に黒鉄の光を帯び、そこには鱗の様な紋様を浮かんでいました。

 ガードの部分には魚の頭を模した装飾。グリップは魚の骨のそれを思わせる細やかな装飾。所々に赤いイクラの様な宝玉が埋められています。柄は・・・尾鰭おびれ彷彿ほうふつとさせました・・・。

 

 これは間違いなく・・・シャケいです!


「これは伝説の鍛治師『クマノフ』が生み出した会心の一振り。

 その名も『シャケノキリミ』!」


 クマノシンのお知り合いですね。分かります。

 やっぱり、お腹が空いてたんですかねぇ・・・。


「ちなみにクマノフは伝説の熊獣人三兄弟の三男!クマノシンは長男です」


 兄弟でしたかぁ・・・そうですかぁ。次男は何をしてる人なんでしょうねぇ・・・。


「そして、次男のマクマ氏はここのギルド長です♪」


 まさかの知人でしたぁ!?お世話になっております・・・スリムなので狼獣人だと思っておりました。ギルド長の繋がりでエビちゃんはシャケ装備を作って貰えたんですね。どうでもいい謎が解明してしまいました・・・。


「この伝説の武器を貴方に差し上げましょう!貴方なら使いこなせるはずです」


 処分なんじゃないですか?


「将来有望な冒険者に譲るならクマノフ氏も許してくれる事でしょう(売ると怒られそうだし・・・)」


 処分なんじゃないですか。


「エビちゃんの武器、あげちゃって大丈夫なんです?」


 リズが心配そうに言います。


「もっと強い武器で格好良すぎてデバフがかかるやつがあったんですが、いま可愛い装飾に仕上げて貰ってるので大丈夫です♪」


 完全に処分ですね。


「こんな良い武器を・・・本当にいいんですか!?」


 あれ?こっちも好印象。見た目とかはあまり気にしないんですね、たくましいです。シャケジャン魔導師とシャケノキリミ騎士。アオイさんにも何か必要では?


「貰って下さい♪そして青髪の貴方にはこれを差し上げましょう」


 いい笑顔でそっと差し出されたのは・・・

銀の鱗で蛇腹じゃばらの形状、隙間からサーモンピンクをのぞかせるシャケい手甲。


「名前はシャケイルです」


 引き攣った顔で受け取るアオイ。あ、彼女はセンスがアレみたいですね。

 でも性能はどれも抜群なんですよねぇ・・・。


 こうしてシャケ装備を纏う三人組冒険者が誕生したのでした。

 

「本当にすまなかったな。エビちゃんも俺のフォローをさせてすまない。この埋め合わせは必ずする!」


 彼のせいではないんですけどねぇ。律儀な人です。


「気にしないで下さい♪(処分出来て助かりましたし)」


 ボソッと本音を言いましたよ、この人!?


「ところでそろそろ下ろしてくれないか?」


 ラックは私の生命属性の拘束魔法で作り出した植物で、締め上げられ吊るされたままでした。植物は『パーン』出来ませんからねぇ。


「あのぉ・・・そう言えば、領主様と謁見させて頂けるのです?」


 クロエが申し訳なさそうに言いました。

 そうでした・・・それってやっぱり私も行かないとダメですか?

 ダメですよねぇ・・・。


 すがる様な目でこちらを見る三人。


 放り出す事は・・・


 出来ませんよねぇ・・・。

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