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【外伝】トラネコの大冒険

 ここで一度、私の知っているトラネコについて、そして彼が辿り着いた世界の真実について語っておこうと思います。


 それは秘密の図書館に残されたトラネコの書記に綴られていました。

 

『語られない救世の英雄、トラネコの軌跡・・・』


***


 この世界には、八人の神がいました。

 神と言っても、全知全能と言われるものや、認識出来ない概念の様なものではなく、『この世界の管理者』とでも言うべき存在。


 え?六人じゃないのか、ですって?


 食神フー。技術神テクニ。

 武神ファイ。美神アディ。

 生命神ラフィ。死神セズ。


 この六人に加えて実は、娯楽神ミューズと邪神カオスがいたのです。


 その昔、世界は今よりも、もっと完璧でした。

 神々は人間界に干渉せず、平穏に時間のみが流れておりました。

 変化のない世界。満たされた幸福。排除された悪意。


 何事もなく流れる日々に異を唱えた神がいました。

 それが娯楽神ミューズと邪神カオスでした。

 それぞれは違った意味で変化を求めていました。


 ミューズは言いました。


「変わり映えのしない世界はつまらないです♪」


 カオスは言いました。


「野心なき停滞は進化の放棄だ」


・・・


 そして、二人の神は残りの六神の反対を押し切り下界へ降りてしまったのです。

 カオスは魔物と悪魔を生み出しました。そして、異界から一人の男を召喚しました。


『男の名はトラネコ。』


 召喚された猫獣人の彼は・・・すぐに脱走しました。

 まぁ、相手は邪神ですし・・・そりゃ逃げますよね?


 一方ミューズは魔物、悪魔で溢れる世界を上手く調整する為にダンジョンを作りました。


「バランスを取らないとつまらないのです♪」


 と言いながら・・・。


 更に、二人の暴走に対して、人々が対抗できる様にと六神は加護のシステムを作りました。こうして今の世界のベースが出来たのです。


 トラネコは、ダンジョンをクリアしながら力を蓄えていきます。

 パンを片手に、様々なダンジョンを踏破します。

 

 伝承によれば、パン一つ以外は何も持たずにダンジョンに潜り数多くの財宝を持ち帰ったとか・・・。


 そして、ついにある日、トラネコはミューズと出逢いました。

 ミューズは、彼を導きました。

 彼はダンジョンを踏破、クリアする中で真実へと近づいていきます。そして、邪神の存在とそれがもたらした影響、それを倒さなければならない事を知るのでした・・・。


・・・


 トラネコには特殊な能力、いわゆるチート能力がありました。

 それは・・・『魂喰い《ソウルイーター》』。

 魂を喰らい取り込む能力。それには様々な発動条件がありました。


 彼は共に戦い散っていった友、悪魔に襲われ亡くなった村人達、様々な人々の魂を喰らい救済しながら邪神の侵略を押し返していきます。


 ミューズは次第にトラネコに魅せられました。

 人類の為に戦う、仲間の為に、そして未来の人々の為に戦う彼の味方になっていた。


 この頃、トラネコは子を成しました。

 それがラックの父トリネコ。つまり、ラックはトラネコの孫ですね。

 

 トラネコは邪神封印の為のブースターとして、7体の神像を作りました。

 

 そして、いよいよ邪神との決戦。

 戦いは熾烈しれつを極めました。


 その戦いの中で、トラネコはミューズの魂を取り込む事によって、


『ついには、邪神の魂をその身に取り込み世界を救ったのでした。』


・・・


 トラネコは最早、巨大な集合思念体であり、一つの世界でした。

 娯楽神ミューズと邪神カオスを内包し、また多くの魂を持つトラネコは神を超える存在となりました。


 しかし、邪神カオスを封印する為には、トラネコ自身もまた封印される必要がありました・・・。


 彼が語られないのは、これらの事実を人々に知らせなかったから。

 ただ、この図書館に残した書記にのみ記した。

 ごく一部のそれを知る人にも、彼は広く口外する事を禁じました。

 それは、人々には必要ないと思ったから・・・。


 領主様が知っていたのは恐らく、ごく一部の人の血縁だった為でしょう。

 

 こうして、彼は語られない英雄となったのです・・・。


***


 ここまでがトラネコの書紀と様々な伝記を統合して導き出したお話。


 ここからは、私の知らない内緒のお話♪

 実はトラネコは封印されながら、娯楽神ミューズ、邪神カオスと仲良くなりました。あと、封印されながらもその強力な力を駆使し、ちょいちょい世界に干渉していました。フェリを始めとする妖精を通して色々と伝えたり、トリネコに色々とお願いしたり・・・。


 そして時は流れ、封印の要であった神像のうち三体が破壊される事となります。

 なんででしょうねぇ、困ったものです。悪い奴もいたものですねぇ。

 神像を破壊するなんて、なんて罰当たりなんでしょうか?


 これによって、トラネコは少し自由になりました。

 そして一番、親和性の高い娯楽神像を媒体に少し力を発揮出来るようになったのです。そしてある日、悪魔に呪われた娘の側に置かれる事となりました。


『因みに娯楽神ミューズ様は・・・ネコの姿をしていたそうです。』


 つまり、領主様の娘モニアの部屋にあったネコ像は・・・


『トラネコです。』


 実は、トラネコは悪魔の魂を食べてしまいました。

 困った事に娘は悪魔の呪いを受けていて、術者死亡により効果は強まってしまいました。このままではまずいとトラネコは娘に臨時の加護を与えて延命措置を取り、私が来るのを待ちました。


 呪いを解除したら、そっといなくなろうとしていたのですが・・・



 こうして前回のお話へと繋がるのでした!


 という事で今回は外伝でありながら、本編に大いに関係あるお話でした。

 皆さまご清聴ありがとうございます。


 お話はまだまだ続きます。


 何卒、引き続きお付き合いの程、宜しくお願い致します。



 では次回、またお会いしましょう♪

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