英傑の領主『アレス』
領主様の所に着いた頃には、予定時刻を一時間以上過ぎていました。
流石の私も焦って領主邸の執事に謝罪し直様、謁見となりました。
「この度は、大変お待たせしてしまい大変申し訳ございませんでした!」
私は素直に初手、謝罪。これに限ります。
申し開きもできませんし・・・。すると
「あぁ、まぁリズから事前に聞いてたし後の予定は空けてあったから問題ないよ。普通に仕事して待ってたし」
かる〜い♪
現領主様であるアレス様。その父にあたる方は、この領地を独立させて迫害されていた獣人を集め、このソボックの街を作った人です。アレス様も奴隷解放や難民の受け入れを積極的に行い街を発展させてきた英傑です。
三十歳を超えているはずなのですが、どう見ても二十代にしか見えません。
金髪碧眼の男前。王子様と言う言葉が似合いそうですね。
ソボックの街は独立しています。王国に組みしてはいますが、ほとんど干渉はなく領主アレス様は国王とも親交があり非常に良くして頂いているのです。
何この主人公スペック・・・。
隣国との関係も良好。エビちゃんの受け入れも、隣国解放の英雄でありエビちゃんの育ての親であるイケナイ王との親交からである。ちなみにイケナイの解放軍を陰で支えたのは、実はこの領主様だと言う噂もあるが定かではない。
偉大な方な訳ですが・・・
「色々と報告したい事があるそうだね。事前に多少は聞いているが詳しい内容はまだだ。なんでも簡単には伝えれそうもないそうだね」
リズは領主様と交流があります。
本来は一番年上の私が適任なのですが、例の呪いの件もありましたしリズに任せておりました。
「そちらの男性がラック君だね。大きくなったなぁ♪」
ん?なんで知った風なんでしょうか?
「はじめましてだと思ったんだが・・・?」
ラックは面識がない風です。
「その件について、ちゃんと話したかったんだ。今日は来てくれてありがとう。端的に言えば君のお父さん、トリネコさんは俺の、そして俺の父の恩人だ」
まさか、こんな所で繋がりがあったなんて・・・。
話をまとめると、ラックの父であるトリネコさんは、領主アレス様の父が領地を独立する際に尽力してくれたそうだ。更に驚いた事にトリネコさんは現在、王国で国王の補佐をしていて実質、国の実権を握っているらしいです・・・。さらに・・・
「ちなみに、ピュアやリズを助けてくれた商人はトリネコさんだぞ?」
はぁ!?訳がわかりません・・・情報過多です・・・。
そんな困惑する私を見ながらニヤニヤするアレス様・・・イラッ!
「息子放置して好き放題している件に関して、些か問題を感じるのですが?」
恩人ではありますが、息子を森に放置し、生きていながらも連絡もせず国王補佐なる立ち位置にいる人物に若干の苛立ちを覚えて質問をぶつけます。
「妖精が面倒を見ていて何かあれば連絡をくれる様になっていると言っていたぞ?あと俺の息子なら大丈夫だろうとも言っていたな。トリネコさんは今も沢山の人を救っている」
妖精?なにそれ・・・?
「あぁ、フェリの事か、今もいるぞ?親父に連絡してたのか、教えてくれればよかったのに。ん?あぁ、まぁ別に何も問題はなかったし気にしてないぞ?」
ラックは空中を見ながら何やら話しています・・・。
「今もいるんですか!?」
「フェリか?普通の人には見えないらしいな。ずっといたぞ?なんかピュアの事を避けてるっぽいんだよなぁ・・・仲良くしてくれよ・・・」
聞いてませんが!どうやら、妖精に面倒を見させて報告をさせていた様ですね。しかし、私は育児放棄の恩人商人への疑いは解きませんよ?まぁ、本人が気にしていない様なので私が言っても仕方ありませんけどね・・・。
もう、なんだか滅茶苦茶ですね・・・。
「ところでそこの美女は一体だれだい?」
領主様がエビちゃんを見て言います。
「ご無沙汰しております、エビル・チャンドラに御座います。この度は、問題の解決の一報に上がらせて頂きました」
丁寧に用件を伝えるエビちゃん。
そして固まる領主アレス様。
一方的に驚かされて、ちょっと悔しかったのでスッキリです♪




