いざ食神の祠!
「予定が押しているので速やかに進行していきましょう」
私、ピュアは宣言しました。
「みんなが寝坊したからだけどな・・・」
ラックがちょっと引き気味に言ってますが、気にせず進行します。
「迅速かつ速やかに『食神の祠』の検証を行います」
「自分の寝坊をなきものとする程に、ゴリ押しで進行するピュアまじ豪胆♪」
「あなたも寝坊したでしょうが!」
リズとの小競り合いをしながらも、
本当に時間がないので巻きで行きます。
ちょっぱやでいかないとケツカッチンなのです。
「外に置いて、他の人に見られると面倒なので家の中にゲートを置きましょう」
置ける場所は限られていたので食品庫に設置する事にしました。
ゲートは3メートル程の高さの立派なアーチでした。
細やかな装飾がされており、大理石の様な質感。そのアーチの中にはガラスの様に光沢のある透明な隔たりがあり、向こう側にはダンジョンが広がっていた。
「不思議ですね。裏側から見ると普通のアーチなのに・・・」
私は裏側を覗き込みながら首を傾げる。
「ちょっと邪魔だけど仕方ないな・・・」
ラックはパンエリアを圧迫されて少ししょげていたが、パンダネを取ってきてすぐ食品庫にしまえると言うと納得した。本当にこの人は脳みそパンですね。
しかし、パン工房と巨大な食品庫付き、国宝級の神像が二体置かれていて、伝説のゲートが完備の家。匠も裸足で逃げ出す特殊物件です・・・。
『呪いの館』の名前すら、まだ幾分か可愛い気がしてきました。
「リズ、ちょっと鑑定してみてくれます?」
私は、とりあえずリズにゲートを鑑定して貰う事にする。しかし・・・
「私には何も無いように見えますが?」
え・・・?見えない?目の前には確かに立派なアーチがあります。
リズは、アーチの周りをウロウロとして、何だったらアーチに重なっているのですが、アーチは半透明になりリズと普通に重なります。ちょっと、気持ち悪いです・・・。
「不思議ですね。ちなみに私には見えています」
どうやら、エビちゃんも問題なく見えているらしい。リズだけ見えない。
私は、伝承を思い出します。
神々へ続く道。超越した加護を持つ勇者達が辿った軌跡。
「ラックは、子供の頃からこの『食神の祠』に出入りしてたんですよね?」
「そうだな。十歳の頃からここでパンダネを採取していた」
加護は関係なさそうですねぇ。とすれば血統を予測します。
ラックのお父さんは出入りしていた様ですし。
しかし、そうなると私とエビちゃんが見える説明がつきません。
超越した加護、もしくは血統、どちらか一方で良いと考えれば・・・。
現時点では、わかりませんね。一度、この件に関しては保留します。
「とりあえず入りましょうか。リズはほっときましょう」
「酷い!仲間はずれ、良くないです!」
そうは言われても入れないのですから、置いていくしかありません。
泣く泣く置いて行く事になりました。
実に残念です♪




