容量オーバーですにゃぁ・・・
食神の祠・・・それは、伝説の中にのみ存在すると思われていました・・・。
それは伝承によれば、神々へ続く道。
神の恩恵の結晶。失われた神々の・・・贈り物。
物語の中にのみ存在すると思われていた希望そのもの。
「伝説の中にのみ存在する夢物語、無限に食べ物を生み出す神々の贈り物。それが食神の祠です・・・多分・・・」
こんな事バレたら戦争になりますよ?
「なんだか偉く大層だな。ただの庭にある古臭いゲートだぞ?」
なるほど、ダンジョン自体を持ち運び出来る訳ないとは思いましたが、どうやら持ち歩いてるのはゲートの様ですね。であれば納得いきます。
神域『食神の祠』へと繋がる魔導扉。それでも普通持ち歩けませんが、ラックの食品庫は『パーン』しないモノは何でも入るそうですし。
非破壊オブジェクトを収納して持ち運んじゃってるんですね・・・。
もう、この人自体が何かのバグなんじゃないでしょうか?
誓約による能力強化、制限解除・・・。
とある伝説の魔道研究家の手記。
秘密の図書館で読んだ論文に記されていた、世界の仕組みを紐解く一説。
呪いによる祝福強化もその一つです。
能力上限が決まっていると仮定した時、マイナス値を受け入れる事でより大きなプラスを許容出来る、と言う説。
例えば、10しか許容量がないが、-5を受け入れる事で15の能力を得られる、と言うモノ。私はこれこそ、この世界の真理だと思っています。
ラックは『パーン』しないモノしか収納出来ないと言う誓約で、容量拡大と制限解除を可能にしているのではないでしょうか?まぁ、ただの仮説ですけどね。
枷を背負った者への救済とも言えそうなこのシステム。
これは、私自身にも当てはまるのです。
ある意味、手に入れたのがラックで良かったのかも知れませんね・・・。
「今の話は私達以外には絶対に内緒にしましょう。リズ、ちゃんと音遮断かけてましたよね?」
こんな話、他の人に聴かれる訳にはいきません。
「私達が座った時点でバッチリ遮断してますよぉ♪」
リズはこういった点は抜かりない。本当に優秀なのです。
この件は、ひとまず私達四人に留めて置く事になりました。
「大袈裟だなぁ・・・」
ラックがアホな事を言っています。
これを大袈裟と言うならば、この人を驚かす術は私にはありませんよ?
他国にバレたら冗談抜きで袈裟斬りにされます。
幸い『しまっちゃうオバケ』のおかげでその存在は実物を出さない限り証明しようがありませんし、私達以外には他言無用で情報を封印です。
「領主様へ伝えるのも保留にしましょう・・・。ただパンの件は伝える必要があるので出所不明でも、無理やり納得して貰う他ないですが・・・」
はたして、どう誤魔化したらいいものか・・・。
恩恵は無視出来ません。最大限に活用したいですし・・・。
「明日、領主様に会う前に『食神の祠』について私達で検証できる事はしておきましょう」
幸いエビちゃんは呪い検証のため明日予定を空けていましたし、ラックは大丈夫でしょう。パンを焼くしか現状出来ませんし。買い物は時間があれば最低限行くとして、リズは領主様とのアポを取った件で非番だから大丈夫。私もその件で空けてもらいますし。
今日一日で一生分、驚いた気がするのですが・・・まだ明日も続きそうですね・・・。メンタルが持つか自信がありませんよ・・・私は。
明日は午前中は『食神の祠』の検証と、時間があればラックの買い物。
午後から領主様への謁見で、私とエビちゃんとラックの事情説明。
食糧問題の解決についても説明しないとですねぇ。
そして、領主様の娘さんの件、因縁の奴との決着がつくかも知れませんし・・・。
てんこ盛り過ぎません?
あ・・・そう言えば、この後ラックの家も建てないとですよね・・・孤児院に説明もしないと・・・私の事情を知るマザーにも吉報を届けたいし・・・もう・・・
容量オーバーですにゃぁ・・・。




