ピュアの過去
私は十歳の頃、この街にきました。
心優しい商人に助けられて・・・。
***
私達は、非合法で魔術研究所に購入された子供でした。
そこにいた子供は私含め六人。皆私より年下の子ばかりでした。
リズは私と同じ歳ですが生まれた月は私の方が早いので私の方がお姉さんです。
なのに何故、奴はあんなにムチムチなのか・・・。
牛ですか?牛獣人なんですか?人族と聞いていましたが、嘘ですか?
失礼、話がそれました。
ある日突然に、魔術研究所の職員が全員捕まり、言われるがままに商人によって救出された私達は、ソボックの街の孤児院に預けられました。
領主様は快く受け入れてくれたそうです。
しかし、私達には大きな問題がありました。
逃走防止用の悪魔の呪い。十六歳になると死に至る術式。
魔術研究所は裏で悪魔に支配されていたそうです。
その悪魔は、謎の英雄によって討伐されたと後になって聞きました。
術者が死しても、なお続く悪魔の呪い。むしろ術者の死は呪いをより強力にしました。解呪出来る術者は・・・どこにも居ませんでした・・・。
私達六人は皆、呪いを受けており十六歳になれば死ぬ恐怖に苛まれていました。
しかし、私はみんなに言い聞かせました。
「生きられる」「諦めてはいけません」「必ず大丈夫です」
そして・・・
『私が何とかします』
私は、とあるキッカケからソボックの街にある秘密の図書館を発見しました。
そこで様々な情報を得て、ある手段を知りました。
私は生まれつき生命神様との親和性が高く、この時、既に治癒の魔法を取得していました。
『悪魔の呪いを解ける程の強力な生命神様の加護を貰えたなら・・・。』
私が導き出した唯一の手段でした。
いないなら私がなればいい。その為なら、手段は選ばなかった。
共に救出された子供達は、私の家族の様なものでした。
お金の為に私達を手放した親よりも余程、大切でした。
一番下の子は、その子が二歳の頃から面倒を見ていました。
この子達の未来を守る・・・いや、手に入れる為に私は必死でした。
秘密の図書館で調べて、私が得た手段。
私は徹底的に生命神様の加護を強める方法を実行します。
あらゆる生命神様の教えを守ります。
食事は極力質素に。
毎日、大聖堂の生命神像に心の底から祈りを捧げます。
神話を写本します。
善行を積みます。
生命を尊びます。
様々な事を実施し・・・そして更に私は全力で、
『死神様に呪われる。』
これは、一般的に知られていない事実。
『反属性の神様の加護は打ち消し合い、そして呪いは反属性を強める。』
技術神様の呪いは、食神様の加護を強めます。
ラックさんは、測らずしも最強の食神様の加護を得ました。
美神様の呪いは、武神様の加護を強めます。
エビちゃんの強さの秘密はここにある気がします。
そして、
死神様の呪いは、生命神様の加護を強める。
私は、これまた偶然発見した『封印された死神像』に毎日ありったけの治癒をお見舞いして、四年の歳月を経て破壊しました。
全ては、子供達の未来の為に・・・。
しかし、その代償は、私に悪魔の呪い以上の苦悩をもたらしました。
まぁ、神様の呪いですしねぇ・・・
知ってましたよ?




