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パンを食べればいい

「私は死神様の呪いを受けています」


 私は仕方なく話す事にしました。それはもしかすると打開策が見つかるかもしれないと言う万が一にもないような、淡い期待からだったのかもしれません・・・。そんな事はあり得ないと言うのに・・・。


「君は死神様の呪いフレンズなんだね♪」


 リズがいい笑顔で言う。貴方は知っているでしょうに。

 悪ノリであんなセリフ言わなければよかったです・・・。

 本当に殴りたい。


「最上級の死神様の呪いを受けた私は恐らく、あと一年程で死にます」


 私に掛けられた死神様の呪いは『生きた食材を摂取出来ない』呪い。

 生物の肉や、生の植物を食べる事で人族は生命力を回復します。

 一般的な成人の生命力は300程度。そして1日で約30消費します。

 10日間、摂取しなければ死に至るのです。


『私はそれを摂取する事が出来ません。』


 しかし、私は異常なまでの生命神様の加護を受けたおかげで30000を超える生命力を有していました。十五歳で加護と呪いを受けた私は生命力を回復する術がなく、消費し続け約三年程で死に至る事が決定づけられていました。


 これが私に課せられた運命でした。


 そうまでしてでも、達成したい目的がありました。

 そして、私はそれを達成しました。だから後悔はしていません。

 私は、その目的の為に3000程の生命力を使いました。

 そして、2000程を納得して別で消費しました。


 その後、なんの打開策もなく一年以上の年月が過ぎ、

今、私の生命力は15000を切りました。


『私は後一年程で、生命力が尽きて死ぬ事でしょう。』

 

 私も死にたくはありません。

 様々な方法を試し、様々な手段を探し回りました。

 今も探しています。私は決して生きる事を諦めません。


 だからこそ、死を選ぼうとしたリズが余計に許せなかった。

 

 私はそれを三人に告げた。

 この事を知っているのは今までリズだけでした。


 話してみると、案外スッキリするものですね。

 私は少し心が軽くなった様な気がしました。


 それだけでも、話してよかった。そんな事を思ったのです。


「生き物や生野菜は食べれないんだな?」


 ラックさんが言いました。


「はい。調理済みで完全に加工されていれば食べれますが、それだと生命力は回復しません」


 詰んでいるのです。


「パンなら食べられるのか?」


 パンは小麦粉を主原料として水と混ぜ捏ねて発酵させ焼いたものです。

 完全の加工された食品。生命力が回復する訳はありません。


「パンは食べれますが、生命力は回復出来ません」


 そう、意味がないのです。


「そうか。なら俺のパンを食べればいい」


 ん?この人は何を聞いていたのでしょうか?


「俺のパンは生命力を回復する」


・・・


 え?この人は今、ナンと言いましたか?


 いいえ、パンと言いました。


 いや、違う、そうじゃない。

 

 思えば、彼はパンのみを食べて生きてきたと言いました。

 それは通常ありえません。生命力を回復しませんから。

 彼が異常なのだと思いました。もしくは、彼が嘘をついているのだと・・・。


 しかし、彼は嘘をつくような人物ではありませんでした。


 もし、彼ではなくパンが異常なのだとしたら・・・


 

 私はもしかしたら・・・



 まだ生きられるのかもしれません。

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