俺には理由がある!
「喰らえ!『オーブン』!!」
料理魔法ですね。喰らえがとても自然です。
早くも彼は料理を始めた様です。英断だと思います。
エビちゃんの回りを小部屋ほどの空間が覆う。
その空間の内部はじわじわと温度を上げて行く。
しかし、エビちゃんは平気そうだ。
「なんで、暑くないんだYO?」
「まだ、予熱で空間を温めている状態だからだ!170℃まで上がったら焼き始めだ。
そうしないとふっくらと美味しく仕上がらない!」
やっぱり料理をしてたんですね。安心しました。
エビちゃんはその間にトコトコと歩いて空間から出ます。
そりゃぁ、焼かれたくないでしょうし・・・。
そんな事はお構いないしにラックさんは語り続けます。
「食神様の加護により、俺の『オーブン』は一度に千人分のパンを焼く事が出来る。
しかも、遠赤外線で一切の熱ムラなく、全方位からの加熱!タイマー機能も完備!
出来上がったらアラームで知らせてくれる。温度管理も完璧だ!!」
素晴らしいオーブンですね。
「お前が冒険者に憧れるのは分かる。だがな・・・お前では弱い敵でも殺されるかもしれん。死んでからでは遅いんだ。お前はどうしてそこまでして、冒険者ギルドに入りたいんだ?」
エビちゃんは、先程までとは打って変わって真面目な表情、真面目なトーンで告げる。
それはきっと彼の本音だったのでしょう・・・
でもラックさんは冒険者ギルドに入ります。
「俺はどうしても冒険者ギルドに入る必要がある。何故なら・・・」
そう、彼は冒険者ギルドに入らないといけない。
「冒険者ギルドのキャッシュレス決済システムを使わないと、貨幣に触れられない俺は買い物が出来ない」
ですよねぇ・・・。




