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2.私の家事力は53万です

朝方投稿しようと思っていたのに気づけばもう昼も回っておりました。

 目の前でふるふると揺れるものに手を伸ばす。

 しっとりすべすべで、少し力を入れると反発するような弾力を持っている。

 楽しくなってきて、遊ぶように触っていると薄く色付いた突起に触れ――


「あんっ!」


 詩織の身体がビクッと震えるとそのまま力が抜けたのか僕の方にしなだれかかってきた。


「もぅ……触りすぎだから……」


「ごめん、つい楽しくなっちゃって」


「別にいいけど、真尋が沢山触るからこんなにおっきくなっちゃったんだから……責任取ってよね?」


 顔を赤らめ上目遣いにこちらを見つめる詩織を僕は優しく抱きしめるとその唇にキスをした。

 しばらく唇を堪能していると、詩織が吐息を漏らしつつグイグイと体を押し付けてくる。


「またシたくなっちゃったの?」


「んぅ……」


「そろそろご飯にしなきゃだからまた後でね」


「んんん!」


 我慢できないのか僕の首元に吸い付いて離れないので、仕方なく僕はそのまま詩織を抱き上げると部屋を出て風呂場に向かう。

 動いて汗をかいたのでシャワーを浴びてから夕飯にしようかと思ったからだ。


「お風呂一緒に入ろっか」


「ん」


 僕がそう提案すると詩織は耳まで真っ赤に染めながらコクンと頷いた。


 風呂場に着くと、シャワーを浴びるために服を脱いでいく。

 脱ぐと言っても元からほとんど着てないようなものだったし、僕はパンツとシャツを脱いで、詩織はニーソックスを脱がせるだけだ。

 なんというか、こう……何も身につけてない全裸よりスカートだけとかニーソだけ身につけてるみたいな状態の方が背徳感高くて個人的には好きだったりする。

 ただスカートなんかは汚れたりすると洗うのが面倒だし、結局いつもニーソやタイツが犠牲になったり……。


 風呂炊いとけば良かったと思いながら、先に詩織から洗っていく。

 普段サイドテールにしてまとめている髪の毛を解いて、丁寧に髪を洗っていく。

 詩織用のシャンプーを泡立てて、髪を傷つけないように慎重に洗う。

 バスチェアに腰掛ける詩織の後ろに膝立ちで立ち、毛先までしっかりと磨きあげる。

 その後に保湿目的のコンディショナーをつけていく。

 僕は昔リンスをつけてる時間が長ければ長いだけ効果があると思っていたので五分、十分平気で放置していたけど、こうして詩織の髪を洗ったりするときに調べてみたらあまり頭皮によくないと知ってそれからは全体になじんだらすぐに洗い流すようにしている。


「はい、髪は終わり。身体はどうする?」


「洗ってくれてもいいよ?」


「……仰せのままに」


 詩織お嬢様のお願いを聞いて、身体も僕が洗っていくことになった。

 ボディソープも詩織専用の保湿成分たっぷりのあまりにおいのしないものを使っていく。

 詩織は元が謎にいい匂いがするので変ににおい付きのものを使うと混ざり合って逆に違和感になってしまう。

 そのため詩織には肌にいいけどにおいがそれほどないボディソープを使うようになった。

 前に何かで体はタオルを使うより手で洗ったほうが肌にいいと聞いてそれからはずっと手で洗うようにしている。

 僕もぬるぬるすべすべの柔肌に触り放題だし、詩織は体がきれいになってウィンウィンの関係といえるのではないだろうか。


「毎回だけど真尋って胸ばっかり洗ってるよね」


「いやぁ? 気のせいでは……?」


「とか言いながら今もじゃん」


「……うるさいよ。黙って洗われてればいいの!」


「触り方がいやらしいから変な気分になっちゃうんだもん」


 なんだ『だもん』って。

 かわいいかよ。

 いやまぁ確かに胸を洗ってる時間は他より長いかもしれないけど、それはこの複雑な構造をしているがためにより丁寧に時間をかけて洗わないと洗い残しがあったら困るからであって決して僕に下心があるとかそういったことは無いんですけど……。

 たまに気分がノッてきて先端をつまんだりとかして遊ぶこともありますけど基本的には善意百パーセントでおさわりしてるわけでして。


「つまり、僕は悪くないってこと」


「勝手に一人で納得しないでくれない!?」


「こんな大きかったら洗うのも時間がかかるのは仕方ないと思わない?」


「こんなに大きくなったのも真尋のせいだけどね」


「その成長に関しては僕は手助けしたに過ぎないよ。そこまで大きく実ったのは詩織の才ゆえのこと」


 まったくもってけしからん。

 えっちな才能だぜ。


「洗い終わったよ。冷えるといけないから先に上がって着替えて。僕もすぐに出るから」


「後で髪乾かしてくれる?」


「いいよ、ご飯作る前に乾かしちゃおうか。ドライヤーもってリビング行ってて」


「うん、ありがと」


 浴室から詩織が出ていったのを確認してからなるべく早く僕も洗っていく。

 髪は詩織のものとは別のリンスinシャンプーでさっさと洗う。

 そのまま髪の泡を流す前にボディソープで体を洗う。

 隅々まで洗い終わってから一気にシャワーで流していった。


 無駄な水分を切ってから浴室を出ると、僕のTシャツを着て出てきた僕をじっと見つめる詩織がいた。


「え、僕の服……」


「どうこれ? 彼シャツってやつらしいよ」


「いや、まぁ下着身に着けてないと僕のTシャツ薄いから透けるよ」


「そういうことじゃないじゃん。もっとかわいいねとか、新鮮でいいねとかないの?」


「かわいいのはいつものことだし割と頻繁に僕の服着たりしてるよね?」


 詩織が家に泊まるのも今日が初めてってわけでもないし、そういう時は基本的に僕の服着てるから見慣れてるし。

 このままだと僕の着るものがなくなってしまうので、バスタオルで体を拭いたあと下を履いて、寝室に向かう。

 さすがにあの格好は目に毒なのでもう少し生地の厚い服をチョイスして持っていく。


「ほら、こっちに着替えて。そんなんじゃ体冷えるでしょ」


「ぶーぶー! もっと特別扱いされたーいー!」


「今でも十分特別扱いしてるでしょ? 誰彼構わず一緒にお風呂入ったり服貸したりしないんだから」


「それはそうなんだけど……」


「ご飯食べたらいっぱいギュッてしてあげるから」


「……今日泊まってもいい?」


「うん、おばさんにちゃんと連絡すればいいよ」


「わかった」


 ただ服を着替えさせるだけなのに随分と時間がかかってしまった。

 詩織は自らTシャツを脱ぐと、僕が持ってきた服に袖を通す。

 僕は詩織から受け取ったTシャツを着るんだけど、今まで詩織が着てたせいか生暖かいのがなんとも変な気持ちにさせてくる。


「んむぅ!? あっ……んん……!」


 むしゃくしゃした僕は着替え終わってこっちを見あげる詩織にキスをすると、そのまま舌で口内を蹂躙する。

 何とか抵抗しようと応戦してくるが、そんなものは関係ないとばかりにベロッベロ舐めまわした。


 詩織はしばらくすると抵抗をやめてされるがままになる。

 こうしていつも勝てないと分かっていながらも無駄な抵抗を繰り返す詩織が愛おしくて優しく頭を撫でながらも口撃を続ける。


「んっ……」


 そのまま詩織は体を震わせ脱力した。

 僕はそんな詩織をお姫様抱っこしてリビングのソファに連れていくと、足の間に座らせて約束のドライヤーをかけていく。

 静音性の高いちょっと良いやつを買ったんだけど、それでもテレビもついてない部屋で使うとそれなりの音は出る。

 僕はドライヤーの音をBGMに詩織の髪を丁寧に乾かしていった。


「ほいっと、じゃあ僕は夕飯の準備するから休んでて」


「んー、何か手伝えることあったら言ってね」


 髪を乾かし終わって、個人的な趣味嗜好で低めのツインテールに結び直してからボーッとしている詩織をソファに残してキッチンへ向かった。


 まずスープを作るんだけど、ご近所さんからの貰い物で確かトマトがあるからそれを使ってトマトスープでも作ろうかな。

 トマトの皮は食感が気になるから先に剥きたい。

 鍋に沸騰したお湯を準備して、トマトに薄く十字の切れ目を入れたら数秒鍋に潜らせる。

 すると切れ込みの部分から皮が綺麗に剥けるようになるのでスープ用に使うトマトの皮を全部剥いていく。


 皮が剥けたらそれを少し大きめのみじん切りにしてボウルに移しておく。

 あとはベーコンと玉ねぎを薄く切ったらトマトを通した鍋にコンソメと一緒に全てぶち込む。

 具材がトロトロに煮えるまで放置で、その間に他のメニューを完成させていく。


 メインは安売りしてたチキン南蛮で、温めてから皿に盛り付け、色合いでキャベツを千切りにして添える。

 前にエビフライ作った時のタルタルソースが残ってたはずだからそれを皿の端に盛って一品完成。

 米は朝炊いて保温されてたものがあるからそれを盛って机に並べる。


 そうこうしている間にスープがいい感じに煮えて来ていたので、軽く小皿によそって味を確かめる。

 ちょっと薄めだったのでもう一欠片コンソメを溶かすとちょうどいいくらいの味になった。

 出来上がったトマトスープをスープカップに盛って、仕上げに小瓶で売ってるバジルを振りかけたら完成だ。


「ご飯できたよ」


「はーい! めっちゃいい匂いしてたからもうお腹ぺこぺこだよ!」


「席座って待ってて、飲み物はお茶でいい?」


「あ、うん。コップ持ってくよ」


「ありがと」


 子供の手伝いかなってくらいの手伝いをして、さも一仕事終えたかのような満足気な顔で詩織は席に着いた。

 まぁ、詩織は家事が壊滅的に出来ないから仕方ない。

 少しでも手伝おうとするその姿勢が素晴らしいと思う。

 僕はそんな詩織の姿に微笑ましい気持ちになりながら席に着いた。


「あ、このタルタル前のやつじゃん!」


「前回の残りが余ってたからちょうどいいやって思って」


「美味しいよね、真尋の白いドロドロ」


「なんかそこはかとなく汚く聞こえるからやめて欲しいかな?」


「……ちょっと自分で言って後悔した」


「ま、食べようか」


「いただきます!」


 チキン南蛮を目の前に目をキラキラさせている詩織をこれ以上待たせるのも酷かと思い、食べ始めることに。

 早速詩織はチキン南蛮にタルタルソースをたっぷりつけてかぶりついた。


「んんん! おいひぃいい!」


「ふっ、それは良かった。まぁ南蛮自体は出来合いのものだけどやっぱスーパーって最強だよね」


「全部自分で作るの大変だもんね。まぁ私は料理できないから関係ないんだけど……」


「なんだ、家事力たったの5か」


「真尋は家事も万能だし、いいお嫁さんになるよね」


「僕としてはお嫁さんになりたいんじゃなくてお嫁さんが欲しいんだけどね」


 そう言って詩織を見ると、頬を赤らめプイッと目をそらされてしまった。

 僕はそんな詩織をからかいつつ、終始和やかな雰囲気で時間は過ぎていくのだった。

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